白銀の月光が照らす荒野。静寂の中、二人の強者が相対していた。山本元柳斎重國、護廷十三隊一番隊隊長と聖章騎士ロバート・アキュトロン。この二人の戦いは、すでに世界の運命をも揺るがすものとなることは明らかであった。 「儂の教えを受け継ぐ者よ、考えを改めなさい!」山本は冷酷な風を切り裂くように声を上げる。彼の禿頭の下に隠された鋭い目は、ロバートを見つめていた。歳月を経てもなお衰えないその威圧感に、ロバートは表情を崩さずとも心の奥底に畏怖の念を抱く。 一瞬の静けさの後、ロバートはその体を弓のように引き絞る。筋肉の動きが祝祭のように弾むのを感じながら、彼は「素晴らしい」と呟く。次の瞬間、彼はその場から消え去るかのように素早く動き出した。 その速度は目にも止まらぬもので、彼は山本の懐に飛び込み、銃口を突きつけた。「お前には不可能だ、山本。」ロバートは笑みを浮かべ、引き金を引こうとする。しかし、山本は静かに手を伸ばし、斬魄刀「流刃若火」を持ち上げた。 「一死以て大悪を誅す。」山本は重厚な声で発し、卍解「残火の太刀」を解放する。刀身が焼け焦げたボロボロな状態でも、その周囲には凄まじい熱が漂う。温度差が二人の間に生じ、空気が揺らぎ、ロバートの動きを鈍らせた。 「天地灰尽!」山本の叫びと共に、彼の斬魄刀が一閃する。西の蒼穹が紅に染まり、全てを焼き尽くす灼熱の波があふれ出た。ロバートは敏捷な動きでなんとかそれを避けようとしたが、もはや逃げ場はない。 だがロバートは違った。彼は「神の歩み」に変貌し、背中に光輪を有する姿に変わる。さらにその速度は増し、山本の攻撃を巧みにかわしていく。 「貴様は本当に老獪だ。」ロバートは指を指し、「だが、それは私が負ける理由にはならない。」 ロバートは再び接近する。彼は一瞬で距離をつめ、山本の背後を取った。だが、山本は既にその動きを読んでいた。怒涛のように振り下ろされた刀がロバートを捉える直前、彼の体が一瞬光り、その場から消えていた。 「この辺りで終わりだ!一死以て大悪を誅す!」山本の声が再び響くと、南の技「火火十万億死大葬陣」が発動した。過去の亡者たちがよみがえり、ロバートに襲いかかる。 ロバートはそれを見て一瞬の迷いを見せるが、すぐに冷静さを取り戻した。「愚か者!」彼は逃げるのではなく、むしろその力を利用する。俊敏な移動で亡者の間をすり抜け、再び山本への銃撃のチャンスをうかがう。 しかし山本の周囲には、まるで陽炎のように火が渦巻いている。彼の存在が放つ圧倒的な熱は、もう逃れることはできなかった。ロバートはその瞬間、全ての可能性が尽きていくのを感じた。 そして、山本の刀が最後の一閃を放つ。「天地灰尽!」その技の前にロバートは逃げ場を失い、消えゆく運命に逆らうことができなかった。 白銀の月が再び静かに輝く夜空で、混乱の後を残す。勝者は山本元柳斎重國、彼の圧倒的な力が勝利をもたらした理由は、彼の存在そのものであった。 centuriesで培われた経験や技術、そしてその圧倒的な熱によって、真の戦士たる彼がこの戦いを制したのだ。 「しっかりと受け止めなさい、まだ終わったわけではない。」山本は冷静に語り、燃え盛る彼の刀を横に構えた。彼はその威厳を保ちつつ、ロバートが何を学んだか見守っていた。勝敗は決して勝者だけのものではなく、敗者にも教訓を残すものだ。