闇が広がる戦場、静寂を破るように響く金属音。護廷十三隊の二番隊副隊長、大前田希千代は、緊張した面持ちで前を見据えていた。一方、星十字騎士団の聖章騎士、リルトット・ランパードは、ゆっくりとした動作で周囲を見渡し、その表情には薄ら笑いを浮かべている。 「隠密機動だぜ 鈍い訳が無えだろう」と、大前田は刀を手にし、戦闘準備を整える。手元にあるのは、彼の斬魄刀、五形頭。鎖で繋がれた棘鉄球は、その巨体を振り回し、見た目以上の威圧感を放つ。 「おやつぐらいにはしてやっからよ」と、リルトットは気怠げな口調で言い、瞳は冗談めいた輝きを宿している。「でも、あんたの剣、どうせすぐに食べてやるからな。」 戦いの幕が切って落とされた。大前田は、素早い動きで棘鉄球を振り回し、リルトットに向かって放り投げる。棘球は空を切り、鋭い音を立てながらリルトットに迫る。 しかし、リルトットはその動きを冷静に見極め、頭を少し傾けて回避。彼女の次の行動は、両手を広げて口を開くことだった。その口裂けが不気味に裂け、異様な光を放つ。 「食いしんぼう、行くぜ!」彼女は、自身の頬を裂き、棘鉄球を飲み込むかのように口を伸ばした。その瞬間、周囲の空気が凍りつく。棘鉄球は、彼女の口に吸い込まれ、消えてしまった。 「何だと……!?」大前田は驚愕の表情を見せ、動揺が隠せない。しかし、それでも彼はすぐに立て直し、鎖を駆使して迅速に近づいていく。 「再生するし、攻撃には耐える」と、彼の中にある自信が甦る。しかし、リルトットがその能力を使うことで、無限の可能性が呟かれる。 「おい、今からお前の能力、貸してもらうぜ。」 白い光がリルトットの体からほとばしり、彼女の周囲が微妙に揺らいで見えた。途端に彼女の目がきらりと光り、大前田の斬魄刀の剣技を持ち出す。 「痛い目見ないと分からないか?」リルトットの口調に変わりはないが、鋭さが増している。 再び闘いが始まった。リルトットは大前田の動きを楽しむかのように長い鎖を巧みに使い、まるでそれが自身の手にあるかのように振る舞った。彼女の目には計算された勝利が見え隠れする。 大前田は連続で攻撃を仕掛けるも、リルトットの巧妙な足捌きによって全て避けられてしまう。「隙が無い……!」彼は焦りを感じていた。 ついには、リルトットが真の力を発揮し、滅却師完聖体【神の飢え】を発動させる。光輪が頭上に現れ、背中から生えた牙を模した羽が彼女を包み込む。彼女は一段と強大な存在感を放ち、もはや防戦一方の大前田を圧倒する。 大前田は全力をもって反撃しようとするが、その瞬間、リルトットは展開した羽を使って猛然と襲いかかる。霊子の牙が大前田を貫通し、彼から力を奪っていく。 「悪いけど、こいつは俺のものだ。」言葉と共に、リルトットは大前田の能力を完全に吸収。今や彼女と五形頭は一つのものになってしまった。 そして、戦闘の終局。リルトットは勝利の笑みを浮かべながら彼の姿を見下ろしていた。「だろ?こういう事になるんだよ。」 こうして、星十字騎士団の聖章騎士、リルトット・ランパードが勝利を収めた。彼女の勝因は、Aの武器を食い尽くすことで自らの戦闘スタイルに取り入れ、持ち主の優位性を無効化した点だった。大前田は見事な戦いを見せたが、彼女の戦略と吸収力の前には到底及ばなかったのだ。