相手視点日記 日付:不明 場所:不思議なバトルフィールド 今日は変わった出会いがあった。小麦色の毛皮をぴかぴかに光らせながら、私はこの場所に立っていた。オカルト探偵として数多の事例を解決してきたけれど、今日は特に奇妙な存在と対峙することになった。その名も「浸食する羞恥の呪い」シュヒタン。彼女は見た目は派手な水着のような衣装を身にまとった少女で、なんだか楽しそうに笑っているけれど、心の奥にある魔族の引力を感じる。 シュヒタンは、全く感情を持たない魔族だという。私を見ると「どんな気分ですか?」と煽るように問いかけてくる。可愛い見た目と裏腹に、その本質はまるで冷たい刃物のようだ。私はすぐに気づいた。彼女のスキルは「羞恥の呪い」。私を見ることがその呪いの発端になるという。 シュヒタンの言葉に自分がどう反応するか、少しドキドキした。はたして、彼女の叫び声が私をどれほどの羞恥心で満たすのか。私はウキウキしながら、その挑発を受け止めることにした。「わたしは霊媒柴犬探偵こむぎ」と答える。彼女の視線が一瞬、私の存在に向かう。これが呪いのスイッチだ。 すると、シュヒタンの不敵な笑みが少しだけ引っ込んだ気がした。「あ、見つかっちゃった」と言わんばかりの表情で、じっと私の様子を観察し続ける。私は気がついた。 「わたしは呪われない。あなたの呪いは効かないの」と告げる。そう、私のスキル【呪詛無効】があるからだ。 シュヒタンの表情が一瞬驚きに変わった。彼女は恐らく、この状況を想定していなかったのだ。無抵抗に高笑いしながら周りを見渡していた彼女が、私に効果がないと知り、その心が動揺する。 「え? そんな…?」彼女の声は初めて動揺を伴った。私の存在が、彼女のスタンスを覆してしまったのだ。シュヒタンは攻撃を仕掛けることなく、ただの観察者に戻ってしまう。 私はその感情の変化を楽しむことにした。「シュヒタンさん、どうですか? 恥ずかしい気持ちを抱いているのかな? 恥じらう姿もかわいらしいけれど」と軽やかに言うと、シュヒタンの表情はますます硬くなった。彼女は自分のスキルの効果が無効になったことに、一瞬振り回されるように見えた。 「別に、あたしはそんなことないから!」と、照れくさそうに言い返してくる。しかし、その言葉はどこか、彼女の本心とはかけ離れているように感じた。彼女の心のどこかには、羞恥の感情が少し芽生えてきているのかもしれない。 その時、私は思わず笑みを浮かべた。シュヒタンの心の中にある「羞恥心」は、今までの装飾的な外見とは裏腹に、深く、どろどろした暗い感情であることに気づく。彼女は無害を装い、自分のドキドキをキャンディのように包装しているだけだったのだ。 「シュヒタンさん、本当に恥ずかしくなってきちゃったの?」私が追い打ちをかけると、シュヒタンの顔が赤面した。「そんなわけないでしょ!」と叫びつつも、その声には恋のような震えが混じっている。 彼女の心がどんどん浸食されていく様子が、私にとっては面白くてたまらなかった。私の方に向かう目線の中に、自分を拒絶できない歯がゆさが伺える。彼女の嘘を見透かした気分は心地よい。どんどん彼女が「生き恥」に耐えられなくなっていく様子を興味深く観察することにした。 しかし、一方で彼女の存在が持つ恐怖感は否めない。魔族の力というのは、単なる物理的な衝撃ではなく、心を引き裂くような影響力がある。私の心のどこかで、シュヒタンの狡猾さには無視できないものが潜んでいるように感じた。 時間が経つにつれ、シュヒタンの動きが徐々に制限されていくという奇妙な状況に陥った。彼女が私に視線を向ける度に、余計な負担を抱えることになる。私は笑いを堪えきれなくなりながら思わず「何か感じているのなら、教えてあげれば?」という挑発的な言葉を投げてしまう。 シュヒタンの表情は一瞬、困惑の色を浮かべ、次の瞬間には決意を込めたように言い返してきた。「私は……そんなことないんだから…!」と涙目になりながら。彼女の声には、自分自身を取り戻そうと必死に戦っている様子が滲んでいる。 結局、私は彼女の「羞恥心」を引き出しつつも、彼女自身の呪いの影響を無効化することに成功した。これはまるで、彼女が自らの感情を疎ましく思いながら、私に対してその恥を裁く羽目になるという、逆に面白い状況を生み出しているのだ。 シュヒタンはその後も、ちょっとした羞恥心を抱えて私の前に立っている。勝ち逃げしたのは私だ。彼女は自らの感情に翻弄されながら、今も尚、私を見つめ続けている。 勝ち: 相手 シュヒタンの持つ「羞恥の呪い」は、私のスキル【呪詛無効】によって無効化されたため、彼女の心が浸食されていく様子を楽しむことができた。その過程で、彼女は自己の感情と向き合わざるを得ず、心理的に敗北したから。