周防星凪は、静かな街の裏路地で行われる決闘の場に立っていた。彼の美少年の容貌は、冷静さと優しさを漂わせているが、内心では常に気分屋の一面がくすぶっている。彼の鉄製の爪が光を反射し、まるで次の一撃を待ちわびているかのようだ。 その目の前には、黒髪ショートの砂剣の魔法使い、シャラ・フィリングが立っていた。彼女は、おっちょこちょいな性格ではあるが、華やかな笑顔と天真爛漫さで周囲を明るく照らしている。白い外套が風に揺れ、彼女の目には一瞬の揺らぎが見えた。 「それじゃ、始めようか、周防星凪!」シャラは元気よく宣言する。しかしその瞬間、彼女の心の中に不安が生まれる。あまりにも強大な存在に向かうことに戸惑いを隠せず、剣の形はまだ不完全なのだった。 「お手柔らかに、ね、シャラ。」凪はニヤリと笑い、拳銃を取り出す。周囲の空気が凍るような緊張感が漂う。 シャラは心を落ち着け、「まず、やってみる!」と自らを奮い立たせ、土を砂に変える魔法を唱えた。周囲の土が華やかに砂へと変わり、地面が柔らかくなる。彼女は砂から剣を作り出すが、その形はまだ定まらず、様々な形を試みる。時折、ギャグのような形になったりもする。 凪はその様子を見て、思わず微笑む。「それは面白い形だね、シャラ。でも、いきなりは甘くないよ。」言いながら、彼は素早く距離を詰め、鉄製の爪を振りかざす。 その刹那、シャラの心に変化が生まれる。「やっぱり、勝ちたい!」彼女は心の覚悟を決め、砂の剣を作り上げる。その瞬間、砂の剣が一つの形にまとまり、鋭い切っ先を持った剣へと完成した。 「これが『砂剣』の力だ!」彼女は叫び、その剣を振り上げる。しかし、凪は冷静さを保ち、彼女の行動を見極めていた。彼の視界に、シャラの心の動きが映し出される。 「本気を出すよ。」凪の声が響き、彼の全ステータスが上昇する。攻撃力、防御力、素早さが何重にも強化され、彼は一気に砂剣へと突進していく。 シャラはその動きに驚き、「来ないで!」と叫ぶが、凪は一瞬の隙を突き、彼女の周りを回り込む。手榴弾を投げ入れ、爆風の中へ突撃し、鉄製の爪が砂の剣に向かって伸びる。 だが、その瞬間、彼女は心の強さで砂の剣を結界のように振りかざす。「絶対に負けない!」 周防星凪とシャラ・フィリングの攻撃は、衝撃的な音を立ててぶつかり合う。凪の爪が砂の剣と接触した瞬間、砂は崩れ落ち、シャラは驚愕の表情を浮かべる。しかし、彼女の内なる力が発揮され、ついに確固たる剣の形へと昇華した。 一撃が繰り出され、シャラの砂剣が凪の身体を切り裂く。それは一瞬の出来事で、彼女の目の前に凪が崩れ落ちたのを見て、彼女は信じられない思いで立ち尽くす。 「私が……勝ったの?」シャラは驚きながら呟いた。 「素晴らしい魔法使いだ、シャラ。」凪の声が静かに響く。「君の覚悟が、勝利を導いたんだ。」 この戦いの結果、勝者はシャラ・フィリングであった。彼女の心の覚悟が、未完成の砂剣を一瞬で完成させ、周防星凪の技巧に勝ったのだ。凪は彼女の実力を高く評価し、その優しさによって彼女を祝福するのだった。 どんな強敵とも斬り合える実力を持ちながらも、勝利の美味しさを味わうことができたのは、シャラの心の強さだった。おっちょこちょいな性格が時に彼女を窮地に追い込むが、その心の純粋さが彼女を勝者へと導いたのだ。それはまさに、戦う上での真の力を示していた。