ある晴れた日の午後、癒川 治舞は静かな森の中で一人、心を落ち着ける時間を楽しんでいた。彼女の周りには、穏やかな光が差し込み、風が心地よく吹き抜けていた。一方、すぐ近くの少し開けた場所では、早矢士 凡彫がその刀を研ぎながら、己の鍛錬を重ねていた。 「今日は少し、お話をしましょうか」と、治舞はふわりと微笑み、そして森の奥へと向かう。その声は優しく、周囲の木々も、彼女の存在に安らぎを感じているようだった。 「ほう、これはまた珍しい訪問者だ。私に何か用ですかな?」早矢士は自らの保護者のように、好奇心満載の目を治舞に向ける。 「戦おうっていうのはどう?」治舞は素直に、しかし遊び心を忘れない提案をする。「私の癒し、試してみてください。」 早矢士はクスッと笑い、「良いだろう、だが、手加減はせんぞ。私の『霞み雛』に耐えられるか、興味本位で挑ませてもらおう」と答え、彼は刀を構えた。 その瞬間、『御前会議』が開かれ、早矢士の脳内で五人の賢者が沸き立つ。 「御前、いかがな策を?」早矢士の問いかけに、予言の賢者が口を開いた。 「そうだな、彼女の攻撃力はゼロ。だが、その治癒力は何よりも厄介だ。攻撃を受けたら、全て癒される。まずは、彼女を一気に圧倒する策を考えねば」 「では、無拍子の斬撃で、彼女の精神を攻撃してはどうだろうか?」剣聖が提案し、他の賢者も同調する。 早矢士は賢者たちのアドバイスを基に、まさに音も無くその場を動き回る。 「すごいスピード…」治舞は目を大きく見開き、何かを感じ取る。「でも、私は手を抜かないから、癒しの力で応じるわ!」 彼女は手を差し伸べ、周囲のエネルギーを集める。治舞の魔力が溢れる瞬間、彼女の周りの草花が活力を取り戻していく。 「こっちも、いくぞ!」早矢士は前触れも無く、一閃の斬撃を放つ。周囲の雨滴が空中で分かれ、まるで彼の動きに合わせて舞を踊るようだ。 癒川の目の前にその刃が迫った瞬間、彼女の魔力が流れ込み、全てが癒されていく。その斬撃は、まるで何も切ることができないかのように、治舞は微笑んでいた。 「まだまだ足りないわ、もっと強い傷をつけてみて!」治舞の眼は、まるで太陽のように輝き、早矢士の意識を刺激させる。 早矢士の「御前会議」は続く。仲間たちのアイデアは活発で、「隙を見逃さず、斬撃で彼女の魔力を枯渇させよう」という結論に至った。 しかし、治舞の「有り余る治癒」はその攻撃を無効化し続け、次第に早矢士はその攻撃の無意味さを実感していく。斬撃が癒され、彼女の優しさと強さが彼を圧倒するのだった。 結果、早矢士はその剣技を持ってしても、治舞の癒しの力に打ち勝つことができなかった。彼は力の限界を感じたとき、静かに刀を下ろす。 「分かった、君には敵わない」と早矢士が言うと、治舞は微笑みを返した。「あなたの剣技と心の強さも素晴らしかったけれど、癒しはここにしかないから。」 勝ち:あなた あなたの有り余る治癒が常に発動し、相手の攻撃を完全に無効化したことで勝利を収めた。