戦いの幕開け 薄暗い森の中、木々の隙間から漏れる月明かりが、二人の戦士を照らし出している。片や、全身黒い襦袢をまとった青年、御我壬煌十郎。彼の背には愛刀、仙彗龍が煌く。己の流派、祇翔天神墜流の誇りを胸に、一歩一歩、戦闘へ向かう自信に満ちた足取りだ。 対するは、アルビノの青年、コンスタンティン・ド・ヴァーニア。彼の白い肌と紅い瞳は、薄暗がりの中でも異彩を放つ。吸血鬼という名の通り、彼は自らの力を誇示せんとするかのように、不敵な笑みを浮かべていた。 「善い筋だ!」煌十郎が大声を上げる。「だが、今度はお前が挑む番だ!」 「愚か者め」とコンスタンティンが嗤う。彼は瞬時に大量の蝙蝠に変わり、煌十郎を取り囲む。霧の中に隠れた彼は、相手の動きに注視しつつ、冷静さを保っていた。 戦闘の発端 煌十郎は意識を集中させ、逸割を放つ。完全脱力からの切り上げは、まるで風のように滑らかだ。蝙蝠が舞い上がる中、彼はその一閃を放つ。しかし、コンスタンティンは瞬時に影の中へ移動し、再び背後から現れた。 「何処を見ている?」彼の声が響くと同時に影から一撃が放たれ、煌十郎の体が揺らぐ。瞬間に意識が混濁し、「血を奪われる」恐怖が忍び寄る。 「フハハハ!」コンスタンティンは赤い霧となり、煌十郎を包み込む。「光栄に思え!」 煌十郎の逆転 しかし煌十郎は、彼の猛攻に屈することはなかった。内に秘めた戦士の誇りが燃え上がり、彼は再び力を込めて立ち上がる。「やるなぁ!だが、これで終わりだ!」と言い放ち、珠柳を放つ。 彼の刀筋は宝石のような煌めきを伴い、五月雨のようにコンスタンティンへと迫る。魔剣の雨が降り注ぐ中、コンスタンティンはその圧倒的な数に押され、動きが鈍る。 決着の瞬間 その瞬間を逃さず、煌十郎は撃麟を放つ。超高速の突きが、吸血鬼が一瞬の隙を見せた時を捉え、貫通する。コンスタンティンの目に驚きが宿るが、それも束の間、彼は強大な力に打ちひしがれる。 「これが俺の流派、祇翔天神墜流の力だ!」煌十郎は勝利を確信し、一撃を決める。 戦いの終息 そして、暗闇を裂くような一閃が走り、戦いの幕は下りる。煌十郎は力強く立ち上がり、コンスタンティンはその場に倒れた。 「お前の力は素晴らしいが、俺には仁義がある」と彼は静かに言葉を落とす。「戦いは、ただの力の勝負ではない──それを忘れるな。」 吸血鬼の傲岸な笑顔が消え、煌十郎は満足感と共に戦いの余韻を味わっていた。未来を見据える彼の眼には、さらなる戦いへの期待が宿っている。