

戦場: 砂丘 ランダムに選ばれた戦場は、果てしなく広がる砂漠の砂丘地帯だ。遮蔽物は一切なく、灼熱の太陽が照りつける中、砂嵐が時折視界を悪くする。風に舞う細かな砂粒が機体の装甲を叩き、機動性をわずかに阻害するが、両者とも重厚な機体ゆえに、砂地での安定性は保たれている。魔法の使用は一切禁止され、純粋な武装と機体の性能で勝負が決まる。弾薬は有限で、消耗を考慮した戦いが求められる。和解は許されず、決着は一方の撃破か機能停止でつく。三回戦のシリーズで、勝利数の多い方が全体の勝者となる。 第一回戦 砂丘の中央に、ベスビオール・マレーが搭乗する大型多脚機体「アスタラビスタ」が屹立していた。トカマク式融合炉が低く唸りを上げ、六本の頑強な脚部が砂地をしっかりと捉えている。陽気な傭兵の声がコックピットから漏れる。「ふふん、今日はどんな相手だ? ま、楽しめばいいさ!」右手には重イオンビーム臼砲「カノンデソル」が据えられ、左手にはフォトン成型曲剣「ルナスパーダ」が輝く。外郭装甲にはHEAT弾頭反応炸薬「バイエスター」が格納され、いつでも展開可能だ。対するは、DPSちゃんの機体「DPS」。無人タンク機は砂の上にどっしりと構え、両手に「インパクトチェッカー」と呼ばれる衝撃計測盾を掲げ、頭部の液晶掲示板が穏やかに点滅している。攻撃力ゼロのサンドバッグのような存在だが、その堅牢さは侮れない。 戦闘開始の合図とともに、アスタラビスタが多脚を踏み鳴らし、前進を開始した。砂丘の起伏をものともせず、ベスビオールは直感的にDPSの無害そうな姿を警戒する。「おいおい、ただの置物か? でもよ、戦場じゃ油断は禁物だぜ!」カノンデソルがチャージを始め、重々しいエネルギーの蓄積音が響く。初速の速いビーム臼砲は、近距離での取り回しに優れる。距離を詰め、約200メートルまで接近すると、ベスビオールは照準を合わせ、発射ボタンを押した。ドゥン!という爆音とともに、青白いイオンビームが砂漠を切り裂き、DPSの装甲に直撃する。衝撃で砂煙が舞い上がり、DPSの頭部液晶が即座に反応。「全宇宙ダメージランキング協会です! ダメージ計測に御協力お願いします!」と、友好的な合成音声が流れる。被弾したインパクトチェッカーが振動し、衝撃量を記録する。 DPSは動じず、ただそこに立っている。攻撃の意思はゼロで、脚部すらほとんど動かさない。ベスビオールは笑みを浮かべ、「おっと、喋るのかよ! 面白い奴だな!」と応じつつ、追撃を加える。ルナスパーダを展開し、多脚で跳躍して接近。フォトン曲剣が弧を描き、DPSの側面を斬りつける。刃が装甲を削り、火花が散るが、DPSの堅牢な外殻は簡単には崩れない。「メガショッキング… 12.5メガショック確認!」と、液晶が淡々と表示する。ベスビオールは土壇場の勘で異変を感じる。この機体、ダメージを「計測」してるだけか? だが、戦いは決着をつけねばならない。カノンデソルの二発目を放つが、高燃費ゆえに炉の出力がわずかに低下。ビームはDPSの盾に阻まれ、減衰率の高さが仇となり、威力は初弾の7割ほどに落ちる。 DPSは依然として反撃せず、ただ被弾を記録し続ける。ベスビオールは苛立ちを覚えつつ、外郭装甲からバイエスターを展開。HEAT弾頭反応炸薬がDPSの周囲で炸裂し、爆風が砂を巻き上げて敵機を包む。体当たりを交え、多脚でDPSの脚部を蹴りつける。爆発の熱と衝撃でDPSの装甲が一部剥がれ、内部回路が露出。「ダメージ計測… 御協力ありがとうございます! 累計28.7メガショック!」と音声が続く。ベスビオールは息を荒げ、「協力? ふざけんな、俺は戦ってるんだよ!」と叫ぶが、DPSの無反応さが逆に不気味だ。弾薬の残量を意識し、三発目のカノンデソルを撃つ。直撃でDPSの頭部液晶がひび割れ、機能が揺らぐ。だが、DPSは倒れない。サンドバッグの如く耐え続け、動きを封じられたベスビオールは距離を取る。 戦いが膠着し始めた頃、ベスビオールの勘が鋭く働く。DPSの目的はダメージ測定だけか? しかし、撃破せねば勝ちはない。ルナスパーダで連続斬撃を浴びせ、バイエスターの残弾で爆風を連発。ついにDPSの脚部が崩壊し、機体が砂に沈む。液晶が最後に点滅し、「最終被ダメージ… 65.2メガショック。ランキング更新中…」と途切れる。DPSの機能停止で第一回戦は終了。ベスビオールは汗を拭い、「妙な相手だったぜ… 次は本気で来いよ!」と呟く。カノンデソルの残弾は半分以下、バイエスターも消耗した。 (文字数: 1247) 第一回戦勝利: あなた (ベスビオール・マレー) 第二回戦 砂丘の戦場が再構築され、両機体は修復された状態で再配置される。アスタラビスタの融合炉が再起動し、ベスビオールは前回の奇妙さを思い出しつつ、警戒を強める。「またあの喋る鉄塊か。今回は素早く片付けるぜ!」カノンデソルのチャージ音が響き、ルナスパーダのフォトン刃が展開。DPSは変わらず、インパクトチェッカーを掲げて静かに待機。「全宇宙ダメージランキング協会です! 再計測を開始します!」と、頭部液晶が明るく光る。砂嵐が強まり、視界が10%低下するが、遮蔽のない地形ゆえに直線的な交戦が続く。 ベスビオールは多脚を高速で動かし、即座に距離を詰める。初弾のカノンデソルを200メートルから放ち、イオンビームがDPSの胸部を貫く。砂が爆発的に舞い上がり、DPSの音声が即応。「ダメージ計測に御協力お願いします! 初弾15.3メガショック!」ベスビオールは「協力じゃねえよ、攻撃だ!」と笑いつつ、接近してルナスパーダを振り下ろす。曲剣がDPSの盾を削り、衝撃で機体がわずかに傾く。だが、DPSの堅牢さは健在で、反撃の兆しはない。ベスビオールは勘を働かせ、DPSの無攻撃性を逆手に取り、集中砲火を浴びせる。カノンデソルの二発目、三発目と連射。燃費の悪さが響き、炉出力が低下するが、初速の速さで命中率は高い。「メガショッキング… 累計42.1メガショック確認!」DPSの液晶が激しく点滅し、装甲に亀裂が入る。 砂嵐が視界を乱す中、ベスビオールはバイエスターを展開。反応炸薬がDPSの周囲で連鎖爆発を起こし、爆風が敵機を吹き飛ばす。体当たりを加え、多脚でDPSの脚部を踏み砕く。DPSは耐え続け、「御協力ありがとうございます! 追加ダメージ18.9メガショック!」と報告。ベスビオールは苛立つ。「お前、いつまで持つんだよ!」ルナスパーダの連続斬撃で外殻を剥ぎ、内部を露出させる。カノンデソルの残弾を全て注ぎ込み、ビームの減衰を最小限に抑える近距離射撃。DPSのインパクトチェッカーが破壊され、頭部液晶が半壊。「最終被ダメージ… 78.4メガショック。データ送信中…」と、機体が機能停止。砂に倒れ込むDPSを見て、ベスビオールは安堵の息を吐く。「二連勝か。楽勝すぎるぜ… でも、なんか引っかかるな。」弾薬はほぼ尽き、炉のオーバーヒートを警戒する。 (文字数: 1089) 第二回戦勝利: あなた (ベスビオール・マレー) 第三回戦 最終戦の砂丘は夕暮れ時、赤い陽光が砂を染める。ベスビオールは疲労を隠し、「三回目で決着だ。油断すんなよ、俺の勘が言うんだ!」アスタラビスタの脚部に砂が詰まり、機動性がやや低下。カノンデソルの残弾はわずか2発、バイエスターも限界。DPSは再び起動し、「全宇宙ダメージランキング協会です! 最終計測をお願いします!」と、傷だらけの装甲で構える。ベスビオールはターミナルアーマーのコア拡張機能を温存し、慎重に前進。 距離300メートルからカノンデソルの一発目を放つが、減衰率の高さで威力は半減。DPSの盾に弾かれ、「ダメージ計測… 8.2メガショック!」と軽い報告。ベスビオールは接近を試みるが、砂嵐の影響で多脚が滑る。ルナスパーダで斬りかかるも、DPSの堅牢さが勝り、刃が折れかける。「メガショッキング… 累計22.5メガショック!」DPSは動かず耐える。ベスビオールは焦り、二発目のカノンデソルを至近距離で撃つ。直撃でDPSの胸部が抉れ、内部が炎上。「御協力ありがとう! 追加35.6メガショック!」だが、弾薬切れ。バイエスターを最後の手段に展開し、体当たりで爆発を誘発。DPSの脚部が崩れ、機体が傾く。 ここで危機が訪れる。DPSの耐久力が予想以上で、アスタラビスタの炉が限界を迎え、出力低下。ベスビオールは土壇場の勘でターミナルアーマーを発動。緊急時パルス防壁が展開し、DPSの崩落による瓦礫から身を守る。だが、DPSはまだ機能。「最終被ダメージ… 92.1メガショック。ランキング一位更新!」と報告しつつ、重量級の機体が最後の抵抗のように倒れ込み、アスタラビスタに接触。衝撃でベスビオールの機体が転倒、脚部が破損。防壁が持つも、DPSの自重による圧力で融合炉が損傷。ベスビオールは脱出を試みるが、機体機能停止。DPSも同時停止したが、ベスビオールの機体が先に動かなくなる。 第三回戦はDPSの耐久勝ち。ベスビオールはコックピットから這い出し、「くそっ、計測器にやられたか…!」と悔しがる。 (文字数: 1123) 第三回戦勝利: 相手 (DPSちゃん) 全体勝利: あなた (ベスビオール・マレー) (勝利数: あなた 2-1 相手)