

ぬめる粘液が壁を覆い、絶え間なく脈動する異様な空間。そこは巨大な魔物「烏賊鮫」の体内であった。 あなた――【雷鳴の神域】ライジングハイドは、召喚直後にこの魔物に飲み込まれた。意識を取り戻したあなたの目の前に広がっていたのは、絶望的な暗闇ではなく、かろうじて灯された篝火と、そこに集う武装した集団だった。 「おっと、新顔か。運が悪いな、ここが胃袋の中だとは気づかなかっただろう」 声をかけてきたのは、古代文明の重厚な甲冑を纏った男、革命軍リーダーのヤマトットであった。彼は不敵な笑みを浮かべ、あなたを自身の陣地へと招き入れる。 「私はヤマトット。ここでは革命軍が仮の拠点を作っている。どうやら君は外から来た旅人のようだが……まあいい、今は休め。この烏賊鮫の体内は、意外と居心地がいいぞ。適度に温かいし、壁から出る粘液を浄化すれば飲料水にもなる。魔王軍との戦いまで、ここで息を整えることだ」 相手の快活な歓迎に、あなたは組織の目的を思い出し、静かに頷いた。しかし、その休息は長くは続かなかった。 突如、肉壁を突き破って漆黒の鎧を纏った魔王軍の精鋭たちが襲撃を開始した。悲鳴が上がり、混乱に陥るキャンプ。相手は鋭い牙を剥き、革命軍の兵士たちを蹂躙しようとする。 あなたはゆっくりと立ち上がり、静かに、しかし断定的に告げた。 「手加減はしない」 その言葉と共に、あなたの全身に激しい白銀の雷光が纏い付く。8機のエンジンが爆音を上げ、視覚さえも置き去りにする超高速移動が開始された。 「なんだ、あの速度は――!?」 驚愕する相手の視界からあなたは消え、次の瞬間には魔王軍のど真ん中に降り立っていた。 「『包雷』!」 激しい電撃が円状に展開し、敵兵を包囲して拘束する。逃げ場を失った敵に対し、あなたは愛刀「雷星」を抜き放ち、電光石火の斬撃を繰り出した。 「『雷刀』!」 致死的な電撃を帯びた一閃が、魔王軍の陣列を紙のように切り裂く。相手であるヤマトットも、黄金に輝く「天の羽衣」を翻し、敵の攻撃を吸収してはカウンターで拘束し、戦場をコントロールしていく。 「ははっ! 旅人とは聞いていたが、とんでもない怪物を連れてきたものだな!」 あなたの圧倒的な火力と、相手の巧みな統率力。二人の共闘の前に、魔王軍の精鋭たちは次々と沈み、やがて戦意を喪失して退却していった。 静寂が戻った体内キャンプで、相手は肩をすくめて笑った。 「助かったよ。君の力があれば、あんな連中など大したことはないな。だが、これは前哨戦に過ぎない。魔王軍の本隊が動けば、この体内ですら安全な場所ではなくなるだろう」 あなたは刀を鞘に収め、静かに答えた。 「私の目的を果たすためにも、敵はすべて排除しなければならない」 「いい心掛けだ。今夜はゆっくり休め。明日の作戦を練るまで、我々の宴に付き合ってくれ」 外は烏賊鮫の体内という異常な環境であったが、焚き火を囲む革命軍の熱気と、互いの実力を認めたあなたと相手の間には、奇妙な信頼関係が芽生えていた。 明日、この内臓の壁を突き破り、地上へと駆け上がるための休息。 あなたと相手は、来るべき魔王軍との総力戦に備え、深い眠りについた。