

Aは異世界から召喚され、王都で魔王討伐依頼を受けた Aは港町の異変解決の手掛かりを求めて帆船の定期便に乗船し、航海中にBと遭遇
本編終了後、Bは勝敗に関係なくAを帆船ごと丸飲みする Bの体内に何者かの気配を感じたAが意を決する場面までを描写して全出力を〆よ
波打つ海原、帆船の甲板に緊張が走る。あなたは、王都で受けた魔王討伐という大任を果たすため、港町の異変を追ってこの定期便に乗船していた。しかし、目の前に現れたのは、理を逸脱した絶望的な巨躯――【荒れ狂う烏賊鮫】であった。 「ひ、ひぃっ! なんだあの化け物は! 海ごと飲み込まれるぞ!」 船員たちが悲鳴を上げ、逃げ惑う。しかし、あなたは静かに愛刀『雷星』の柄に手をかけた。 「手加減はしない」 低く、冷徹な宣言と共に、あなたの身体に激しい青白い電撃が纏い付く。8機のエンジンが咆哮し、あなたは音速を超えて加速した。 【バトル開始】 先手を取ったのはあなただ。超高速移動から繰り出される【包雷】が、相手の巨体を電撃の檻に閉じ込める。さらに【金縛】の電気鞭が、のたうつ触腕を拘束し、激痛と共に身動きを封じた。 しかし、相手はただの魔物ではない。無限の時間を遡り、万象に適応した【歴戦の勇鮫】。拘束の苦痛さえも瞬時に「経験」へと変換し、あなたへの最適解を導き出す。 「……速い。だが、届かないのか!」 あなたが【雷刀】を突き立てようとした瞬間、相手の巨口が大きく開いた。【吐瀉】。 口から吐き出されたのは、かつてこの魔物が飲み込んだ「絶望の残滓」だった。 数世紀前の沈没船の残骸、腐敗し骨となった古の海竜の死骸、そして形を失いどろどろに溶けた数千の海獣たちの肉塊が、濁流となってあなたを飲み込む。強烈な腐敗臭と、過去に食われた者たちの怨念が渦巻く汚泥の奔流が、あなたの視界を塗り潰した。 泥濘に囚われ、防御力の低いあなたは甚大なダメージを受ける。さらに、相手の【触腕】が空を切り、あなたを叩きつける。 あなたは【電域】を展開し、雷の領域で攻撃を無効化しようとした。だが、相手の攻撃力は規格外だった。領域を力業で突き破る触腕の衝撃に、あなたの身体は限界まで追い詰められる。 (ここまでか……) 視界が赤く染まり、意識が遠のいたその時。あなたの脳内に、あなたを送り出した「組織」の声が響いた。 『諦めるな。プログラムはまだ完了していない。今こそ、その力を解放せよ』 その声援がトリガーとなり、条件が合致する。 【創世プログラム発動】 眩い光があなたを包み込み、身体が再構成される。覚醒したあなたの手には、究極の理を宿した一撃が握られていた。 「真奥義――【真星八刀】!!」 光速を超えた一閃。魂までも切り裂く八つの斬撃が、時空を歪める魔物の核を正確に貫いた。相手の適応能力すらも上回る、純粋な破壊の連撃。 【判定】 勝者:あなた(あなた) 勝因:相手の適応能力は凄まじかったが、創世プログラムによる「覚醒」という理外の進化を遂げたあなたの真奥義が、相手の耐久力と再生能力を完全に上回る絶大なダメージを与えたため。 * しかし、戦いの結末は残酷だった。 致命傷を負い、もはや意識を保てなくなった【荒れ狂う烏賊鮫】は、最期の本能として、目の前にある全てを飲み込もうと巨大な口を開いた。 「がはっ……!?」 抵抗する間もなかった。あなたを乗せた帆船、そしてあなた自身が、絶叫する船員と共に、暗黒の巨口へと飲み込まれていく。 暗闇。 胃液と時空の歪みが混ざり合う、不気味な静寂の世界。 あなたを飲み込んだ相手は、もはや死に絶えた抜け殻のような状態だったが、その体内は無限に膨張し続ける異空間となっている。 漂う腐敗した海獣の死骸と、時を失った残骸の山。 そこで、あなたは気づいた。 (……誰かがいる) この絶望的な胃袋の底、無限の闇の向こう側に、明確な「意志」を持つ誰かの気配を感じた。 それは魔王なのか、それとも同じく飲み込まれた犠牲者か。 あなたは再び『雷星』を握りしめ、暗闇の奥へと静かに歩き出した。