エレナは天啓を: 体現する者。夕暮れの風に花弁が舞い、
エレナの金髪を: 揺らす。夕陽は澄んだ大気を駆け、
赤いドレスを: 染める。唯、彼女の碧眼は静かな
花畑の丘を映し、: 穏やかに歩を進める。その手の内の花束は
一日の生と死を: 見つめ、平穏を、安寧を祈る。
【戦場に平穏を】
エレナはどれほど傷を負えども歩みを止めない。
エレナは天啓を信じる者。天啓を体現する者。
困難を乗り越え、相手に花束を渡す。
心は静かに、命は穏やかに。
烈日は傾き、一日の終わり。
花束は生まれ出ずる命も、去り行く命も見つめてきた。
戦場に平穏を。あなたに花束を。
赤い赤い花束は、強い香を放ち、持ち上げられる。
そっと渡される花束は、風に無数の花弁を巻き上げる。