手の甲に八重歯の: 口を備えた六本腕の赤黒き肌の悍ましき大鬼
背部には今まで: 喰らった人間共の苦悶の顔が所狭しと生える
その力は概念すら: 喰らい尽くし己が力とする餓鬼道そのもの
既に代償は払われ: 無消費で土塊や微生物すら対象に喰い続ける
世界を救う為に力: を欲し、力を欲したが故に世界の敵となった
嘗て英雄に成らんとする青年がいた
世界を国を家を恋人を守る為に彼は力を欲した
"一生、一緒にいる"幼き日の約束を護る為に力を欲した
時が流れ青年は英雄と成った
民に慕われ正義を貫き安寧を保った
然しそれは束の間の平穏に過ぎなかった
世界を徒に侵さんとする巨悪"深淵"により世界は滅びた
彼は力を欲した
故に英雄は堕ちた
"約束"は果たされた
恋人の血肉を喰らい、糧と成し分かたれる事なき冒涜の果てに