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【文明の天敵】ホシグライ

《宇宙危険生物に関する報告書》      ホシグライ(星喰らい、stella comedentis) 〈ホシグライ〉とは、星の持つ熱エネルギーを吸収して生活していることから付けられた名称である。  現在判明しているだけで4体のホシグライが確認されている。  厳重な監視により互いの接触は確認できなかったにも関わらず、幼体と思われるホシグライが出現した事から、ホシグライは単為生殖性の可能性が極めて高いとされる。  ホシグライは星の内部に潜り込み、内側でその星の持つ資源を根こそぎ吸収する。吸収された星は内側がピンポン玉のように空洞になるため、自身の構造を保てず、爆散または消滅することになる。    基本的に巨大なエネルギー源を優先して狙う性質があるため、その星系における太陽が標的となる。    【文明の天敵】という二つ名は、太陽を吸収された星系が等しく滅んだ事に由来している。  滅んだ文明の中には高度な科学技術を持った星も存在した。その星はホシグライに対して大打撃を与えたものの、恒星の中に逃げ込まれた事で手出しができなくなり、結果的に滅亡の一途をたどったようだ。 追記:我らが母星プルケリマより48億光年先の星系において、武装調査船4隻が新たに5体目となるホシグライと遭遇し、その後交戦。  調査船のうち3隻が犠牲になるも、ホシグライの全身の内およそ68%の消滅が確認できました。  しかし、ホシグライが突如として未確認の形態に変化。全体の消滅箇所が復活し、元の容積を大きく超える138%にまで巨大化しました。  この状態を便宜上〈ホシホロボシ〉と呼称します。通常形態に比べ大幅に強化されている事が予想されるため、既存の兵器の強化と共に新しい理論の元有効な兵器の開発を求めます。             プルケリマ宇宙軍所属 戦艦アルジャーノン 副艦長  フィリス