南方にあるデルサ大陸の大半を占める『デルサ大砂漠』。 その中央を横断する、デルサ大陸を東西に分ける全長約8000kmの大地溝帯と呼ばれる巨大な谷。 別名『地の口』。 その谷の底に、湖はある。 『黒沼の湖』 世界最大の天然油田の湖。 地層の裂け目から常に原油が溢れるその環境は、生物たちに特異な進化をもたらした。 その生態系の頂点に君臨するものが、ジョウサイユゲンマイマイである。 生物学上ではタニシの仲間。 この湖を住処とし、水中にいる微細なプランクトンや、この土地固有の藻を食べて生きている。 この藻を他の生物が捕食した場合、原油中毒となってしまうほど有毒。 しかしユゲンマイマイはこの毒を体内で“加熱”することで、無毒化することができる。 ユゲンマイマイの中で、最も長生きしたメスの個体が、ジョウサイユゲンマイマイへと成長。 全長約4kmの巨体を誇り、遠くから見れば島か城か見間違えてしまうほど。 巨体故に体温がとても上がりやすく、排熱機関が発達している。