『ヨミ』の冠核者 クィリエサタ 水色の目と水色の髪は空を思わせる冠核者、黒いブーツや白黒の冒険者を思わせる服装。 そして黒い手袋は何かの決意を感じるもの。 クィリエサタの過去と概要: 彼は元々この『真核者』達の集う世界の人間では無かった。 俗にいう魔法や異種族の廃れなかった異世界であった。 そんな彼は元々いた世界である女性とまさに運命的な出会いを果たした。 それは巨人族の"イリス"という名の心優しい女性だった、 彼女の身長は10m近くもあり、精々2mあるかないかのクィリエサタよりも大幅に大きかった。 そんな彼女とは緑が茂る草原の上で出会った、魔力が一切なく魔法すら使えなかったクィリエサタが隣町に行く道中最速で着くには草原を通るしかなかったのだ、 だが草原には当然危険な魔物もおり、案の定魔物に殺されかけた。 その時助けてくれた人がイリスであった。 豪快ながらも繊細で心優しい自然が大好きなありきたりな少女心とその優しい目つきに、 普段クールで恋愛にすら興味なかったクィリエサタも柄にもなく一目惚れしてしまった。 そこからはクィリエサタは毎日草原でイリスを探す日々で、会えたら精一杯持ってきたお菓子と花束を毎回プレゼントしていた。 そして時には二人で星を見上げる事も空へと憧れる事もあった。 同じく二人は魔法が使えない者同士だったのだから。 そんなイリスも徐々にクィリエサタに惹かれていく。 体格差はありながらも愛している双方はお互いを思いやって頑張って唇への接吻を交わした。 そして二人は遂に結婚までした。 当然異種族との結婚は法律でも許可などされていなく、あくまで二人で森の木々の先にある自然溢れる湖を前面に映し厳かに行われた。 二人は人生の絶頂に立っていた。 だがそんな彼らの前に現れたのは空一面に映る『プラネットウォーカー ニル』だった。 『ニル』はただ宇宙空間を移動しているだけでもその何気ない移動ですら惑星にとっては致命的なのである。 その移動により地球の位置や重力、大気圏がおかしくなり、徐々に地盤はめくれ上がれ、全てが崩壊していく。 見たこともない惑星級の巨体にイリスでさえ腰を抜かしながらも彼らは必死に安全地帯を求めて逃げるが不可能だった、 「せめて彼だけでも」 といいクィリエサタよりも大きなイリスは体が崩壊し、倒れながらも 「置いて行きたくない!お願いだ!」 と懇願し必死に抵抗している掌にいる彼を優しく森の奥深くへと投げて逃がした。 そしてイリスはそのまま朽ち果ててしまうがクィリエサタは運が悪く、放り投げられた空間の次元は狂ってしまっており『ニル』の移動により発生した『次元操作能力』で『真核者』の集っているこちらの世界へと来てしまった。 最愛のイリスの墓さえも立てれずひたすら泣き喚く。 そんな彼に声をかけたのは『ソニエスタ帝国』の最高指導者『ハイバルトス・カイニック』だった。 『ハイバルトス』は最愛の者を失う辛さを分かっているからこそ彼に『逆行』を使わなかった。 『逆行』を使えば元いた次元へと戻す事も死者を蘇らせる事も可能だったがクィリエサタの事を考えるとどうにもならなかった。 そして同意もありクィリエサタへと『試練』を課した。 クィリエサタは『生命付与』という能力を得たがそれは『蘇り』と違って仮に死体へと『生命付与』を行おうともそれは元々体の中にいた本人の命ではなく、別人なのだ。 つまり彼はその本質も理解しつつ元の世界に戻れた際の方法としてこの能力の研鑽と己の『核』に向き合い続けた。 ついに彼はとうとう極一部の『真核者』のみなり得る『冠核者』へと成った。 ここまで成り上がっても消えることのない星々への思いとイリスへの愛。 そして初めて二人が出会ったあの草原も彼女の美しい茶色の瞳も。 ひたすら彼女を蘇らせて助ける方法を探しては思い悩み、泥臭くも地道に考え続けている。