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最後の少女

この世の全てには終わりがある、有機物は腐り朽ち果てる、無機物はエネルギーを使い果たし蒸発する、宇宙は膨張を続けた結果いつかは萎み消える、概念は宇宙が蒸発すると同時に消滅する。 終わる様子は、私を笑顔にしてくれる。 だから終わりを見てきた、元来備わるこの力で、終わりを迎え続けている為か、私に終わりは来ない。 だからすべて見た。 終わってしまった、私の終わり…最後はここかと思った。 そうして宇宙も消え私も消えるかと…宇宙は消えても私は消えれなかった、虚空の中を漂いながら何も見えず何も聞こえない空間を浮かび続けていた、思考もできず意思だけがハッキリしていた。 嫌だった。 新たな宇宙が最初を迎えた。 私は泣いた、感動した。 終わりを迎える瞬間より尊い物だと思った。 また終わりを見れる。 彼女の真意は自分も知らない、ただ破壊を楽しむサディスティックという訳では無さそうだ。 少なくとも彼女には悪意と呼ばれる物はなくただ幸せを享受したい様にも見える。 彼女にとっての最後とはその幸せが幸せと感じなくなった時かも知れない。