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【怠惰な傭兵】ニゲル=メンドール(35)

とある戦場にて―――――――――― ニゲル「ん~どうすっかな、こりゃ」 「え、戦え?なーに言ってんすか、これもう負け戦じゃないッスかー」 「報酬?あーいいっすよ適当にガメてくんで、じゃっ俺たちはここら辺で撤退させてもらいますわ!」 ===================== 部下「いいんすか?こんなことして、俺たちお尋ね者にならねぇんですかい?」 ニゲル「まーあの位置取りを考えるとあの領主、今回の戦は生き残れないだろ」 ―――おもむろに自分の部隊の服を近くの兵士の亡骸に着せつつ 「ほら、これで俺たちだと誰も疑わなくなるだろ?」 「負け戦にゃ負け戦なりの儲け方がある。俺たちは傭兵なんだから儲かりゃなんでもいいんだよ」 部下「でも、傭兵団の名声とかが無いと要請も来ませんぜ? ニゲル「そうだな、名声に応じて死亡率も跳ね上がるが・・・お前、そんなに前線で戦いたいのか?」 部下「あ、いや、いいえ・・・」 ニゲル「無名でいいんだよ。こんな小さい小隊にまで募集がかかるような戦争なんざ、大体滅亡寸前の砦なんだから、適当にのらりくらり戦って、本土決戦の混乱に乗じて報酬頂きゃ俺たちは損しないからな」 「一応、命はって戦ってはいるんだし、俺たちが貰わなけりゃ敵の懐に入るだけなんだから、これは正当な報酬、お天道様もわかってくれるだろ」 部下「なんだかなぁ、俺はもっと傭兵になったらもっとド派手に無双乱舞してると思ってたんですけどねぇ」 ニゲル「アホか、自分の腕前みてから物を言え」 三十六計逃げるに如かず、今日も撤退戦を展開するニゲルだった