――ぼくは、すべてを識った。だから殴るね。 オーバーオールにキャスケット帽、 それに淡い色素の長髪と風船ガム。 無邪気な少女の姿をしている、彼女の名はモモ。 言葉少なで、感情も淡く、歩き方にすら迷いがない。 理由は単純だ。 彼女は、すべてを知っているからだ。 かつて、モモはごく普通の少女だった。 どこにでもある家庭、優しい両親、温かな食卓。 けれどある日、すべてが変わった。 その瞬間、世界が“開いた”。 見たこともない光景も、触れたことのない思想も、未来の可能性も、死に至る運命すら―― すべてが「見えてしまった」。 「確証はないけど、あれがアカシックレコードだったと思う。 見てしまったんだ、“全て”を。」 以後、彼女の思考は人間の限界を超えた。 言語化することすら困難な高速演算。 戦闘中に彼女がバットを振るうのは、ただ「そこが終点」とわかっているから。 一歩踏み出すだけで、何百の選択肢を刈り取り、最短で最善の未来にたどり着く。 振り下ろす様に薙ぎ払い、飛び込む様に飛び退く。そうして起こり得る反応を五手先まで予測して、最善を選び取る。息を吸うなら魔法だし、力を込めるなら攻撃だ。たったそれだけ。ぼくは天才。 そう語るとき、そこに誇りや高慢さはない。 「殺す」ことさえ、特別な意味を持たない。 けれど、それでも――モモは世界に留まっている。 それは何故かと訊かれれば、彼女はこう答えるだろう。 「気になったから。散歩のついで。 ……ぼくが殴らなきゃいけない誰かが、どこかにいるかもしれないから。」 彼女は、神の視点を持つ観察者。 知識の頂に至った者。 偶然にも「すべてを識ってしまった」少女。 それは祝福ではなく、呪いに近い。 何もかもが予測できてしまう世界で、彼女はひとりぶらつく。 風船ガムを膨らませ、退屈をまぎらわせながら。 モモは、人と交わらない。 だが敵意を向けられれば、容赦はしない。 あなたが彼女にバットを振るわれたなら、それは「既にそう決まっていた」だけのことだ。 危なかった…邪神を名乗るだけはあるね あの無限にも思える兵はホントに厄介だった きっと襲撃は一度では終わらない…その時ぼくの力は通用するのか…? それに、「灰色の男」とは、一体…?まさか…… いや、今は情報が少なすぎる。迂闊に動かない方が良さそうだね https://ai-battler.com/battle-result/cm010xs87055gs60ogk5nxfw1