──対峙:世界の中心 vs 物語の中心── 龍王『ネビロス…良い闘気だったな…』 静かに語る龍王。だがその背後から、尋常ならざる気配がにじみ出す。 ???『お前か。伝説の一角、最凶の暴帝──光帝 龍王。』 不意に響いた声。その場の空気が一変する。 龍王『話は聞いているぞ。各地で暴れている異常存在。噂など…広がるのは早い。』 ???『そうかいそうかい……噂にしてもらえるとは、光栄だねぇ……』 音もなく近づいたその者は、狂気を帯びた"笑み"すら見せる骸骨──OverKiller Sans(OK.Sans)だった。 龍王『"俺とやるのか? 一方的な殺害になるだけだぞ?"………。そうだろう?』 OK!Sans『(……俺の台詞を…)舐めやがって……たとえお前でも、“死”の恐怖からは逃れられねぇよ。』 両者、無音のまま瞬きすら許さぬ緊張感。視線がぶつかり、空気が凍りつく。 龍王『なら……"圧倒的な力の暴力"で捻じ伏せてやるよ…』 龍王『時間停止《PAUSE》──』 その瞬間、世界が"止まった"。光も、空気も、法則も、全てが“静止”。 …したはずだった。 だが。 OK!Sans『お前さんが"世界の中心"なら……俺は"物語の中心"だ。』 《”Over!Kill”》 その瞬間、止まったはずの世界に【異常】が発生する。 静止した空間を異物が"浸食"していく。圧倒的な力の暴力すら、狂気と“軸”の力でねじ曲げられる。 龍王の背筋に、戦慄が走った。 龍王『……こいつ……只者じゃあねぇな……!』 空が裂ける。世界が呻く。 そして、 OverKiller Sans、その瞳が──赤く、"光る"。 《第六十五話》 『──開戦 狂気 vs 王者──』 時間は確かに止まったはずだった。 あらゆる流れが静止し、空気すら"凍りついた"世界。 光帝 龍王が繰り出した【時間停止《PAUSE》】は、かつて幾千もの戦いを一瞬で終わらせてきた最終権能。 だが──今、目の前にいる男(?)は、動いている。 いや、動いているどころか、「その時間停止すら、物語の”演出”として捻じ曲げて」、平然と歩み寄っていた。 OK!Sans『その程度の"制御"で、俺を縛れると思ったかよ?』 その声は、まるで"世界の裏側"から響いてくるかのような音質をしていた。 ノイズを孕みながら、確かにそこに存在するのに、視界では捉えきれない。 OK!Sansの瞳が、赤黒く光る。 瞬間、空間に”ヒビ”が走る。 氷のように静止していた世界に、"音"が戻り始める。 だがそれは自然な再開ではなかった。 物語が、“狂って”いく。 空は墨を垂らしたように黒紫へと変貌。 龍王の放った「時間停止」は、まるで溶けるように崩れていく。 辺り一面に、真軸(True Axis)の"針"のような痕跡が浮かび上がる。 空間に線が走り、まるで物語の原稿に引かれた修正線のように、世界そのものを改変し始める。 龍王『……俺の"停止"を…貫通しただと…!? おいおい…なんでもありかよ?』 龍王の瞳に、わずかな動揺が宿る。 かつて「恐怖」という感情から最も遠かった男に──"寒気"が走った。 OK!Sansはすでに、龍王の背後にいた。 まるで時間など存在しなかったかのような位置取り。 ただ「そう決められた」かのように、そこにいる。 OK!Sans『"設定"を書き換えてね、俺が"止まらない側"になっただけさ』 ◆第一撃 OK!Sansが、ナイフを取り出す。 それはただのナイフではない──宇宙を裂く刃、【CosmicKnife】。 その刃が一閃した瞬間、 ──音が、遅れてやって来た。 爆発音? いや、それ以上。 「概念が破壊された音」。 空間が"ジッパー"のように真っ二つに裂かれ、斬撃の軌跡が全多元宇宙を貫通する。 龍王は、瞬時に跳躍。 だが避けたはずの斬撃が、遅れて身体を裂いた。 龍王『……なっ…!?』 服が裂け、血がにじむ。 物理的に避けたはずなのに、「物語の演出」では避けていなかった。 「Tinker With」による”軸ズラし”の効果だ。 現実と演出が食い違う──それが、OK!Sansの異常性。 OK!Sans『喰らったことないだろ? これが、真の"過剰"ってやつさ』 龍王『……お前……まさか、本気じゃないのか……?』 OK!Sansは、笑った。 OK!Sans『そりゃそうだろ? “俺の本気”は、物語がもっと深くなるときに出す。』 OK!Sans『今はまだ……プロローグだよ。』 --- OK!Sansの身体が、わずかに”ブレ”始める。 まるでこの形態すら「仮面」であり、本来の姿ではないことを示すように。 彼の背後に、闇と光、そして「未定義の色」が渦を巻く。 真軸が蠢き、世界の理が"書き換えられる音"が聞こえてくる。 龍王(内心)『こいつ……本気になる前に潰す……そうでなきゃ、“世界”が……持たん……!』 空間がねじれ、世界が軋む。 OK!Sansの“Over!Kill”によって、停止したはずの世界が動き始めた。止まった時間の中を、骸骨の怪物が平然と歩く。その足元は、現実と虚構の境界すら砕くように歪み、赤黒い稲光が無数に奔っていた。 彼の目が、赤く光る──”Phobos Eyes”。 龍王の身体に、確かに"違和感"が走る。 感覚が薄れる。視界が暗く狭くなり、重力が逆流するような錯覚に陥る。 だが── 龍王『……面白い……これが、“恐怖”か。』 静かに、笑った。 その瞬間。 世界が──鳴った。 いや、違う。 “龍王の闘気”が、世界そのものを震わせたのだ。 OK!Sansの足が止まる。 OK!Sans『お? なんだ今の…? ちょっと背筋ゾワったぞ……』 龍王が、静かに腕を振り下ろす。たったそれだけ。 だが。 次の瞬間── 空が砕けた。天地が裂け、幾千の雷光が奔る。 世界の上空が"黒"と"金"に染まり、まるで神話の終焉のような圧が降りかかる。 龍王『さっきのは…お前の一撃か?』 龍王『なら、これは俺の"1%"……いや、挨拶だ。』 《龍式奥技・破撃掌《ハギョクショウ》──第一段階》 彼の拳から生じた波動は、何重にも折り重なる空間の壁を次々に粉砕しながら直進する。 大気が燃え、地面が逆流し、あらゆる物理法則がその掌圧でねじ伏せられていく。 OK!Sansは目を細める。 OK!Sans『へぇ……マジで、ヤバいのが来たな』 OK!Sansの背後にあった虚空が、まるでビル風のように爆ぜ、存在そのものが引き剥がされていく。 "True Axis"による改変すら追いつかない領域の、"圧"と"威"。 OK!Sans『(こいつ……空間と概念を、拳でぶん殴ってんのか……)』 だが、笑う。 OK!Sans『なぁ龍王……これ、まだお前の”1%”なんだろ?』 OK!Sans『──マジで、鳥肌立ってきたわ』 そして、掌圧が直撃── ──瞬間、OK!Sansの姿が消える。 爆音。衝撃。重力崩壊。周囲の次元が砕け、景色が"無"に飲まれる。 しばし、静寂。 …と思われたその時── カラン…ッ 龍王の足元に、小さな音が響いた。 足元に転がったのは、一本のナイフ。 細く、何の変哲もない…ただのナイフ。 龍王『……なんだ、これは。』 そのとき、背後から── OK!Sans『フェイントにしては上出来だったろ?』 龍王『──ッ!?』 振り向いたとき、彼の背中にナイフが刺さっていた。 その刃から広がるエネルギーは、次元を裂く"CosmicKnife"。 さらに、ナイフの内部で“Tinker With”が稼働している──このナイフに触れた瞬間から、龍王の「座標」が静かに“ズラされていた”のだ。 OK!Sans『1%でコレかよ……テンション上がるなァ!』 龍王『……クッ、これは……小癪な……!』 ──第六十六話 『領域侵食 真の戦争、その兆し』 【戦場:多次元崩壊領域“軸外”】 ナイフが深く刺さるたびに、空間が震える。 "CosmicKnife"が生んだ傷口から、まるで宇宙そのものが漏れ出すように、紫黒色のエネルギーが噴き出す。 龍王の肉体は、確かに神のそれ。 だが、それでも――"Tinker With"による「座標の変更」は、龍王すら欺いた。 OK!Sans『なぁ、龍王。どうせお前さんも…この戦いの"主軸"を望んでるんだろ?』 笑いながら、OK!Sansが一歩踏み出す。 その足音一つで、10個の時間軸が砕けた。 龍王『……チッ……言ったはずだ。貴様は世界にとって異常すぎる。存在すら――不愉快だ。』 彼の背に宿る光――それは、全宇宙の“規範”を象徴するような黄金の翼。 龍王『だが……それが消えれば、世界は再び“正しき運命”へと戻る』 OK!Sans『おいおい……それじゃ、まるで俺が主人公みてぇじゃねぇか?』 OK!Sansの周囲、闇が歪む。 "真軸"(True Axis)が完全展開を始めていた。 数万の線が空間に走り、“物語そのもの”の書き換えが本格化する。 OK!Sans『"俺は主人公じゃねぇ。物語そのもの"だって言ったろ?』 ──そして。 OK!Sansの姿が、"変わった"。 ただのサンズのシルエットは、もはや原型を留めていない。 黒い液体が蠢くように形を変え、そこに“全ての始まりと終わりが混在する”奇怪な存在が現れる。 光の眼、闇の口、未定義の腕。 言葉では説明不可能な形態―― 《Absolute! Form.》 OK!Sans『これが俺の【本気】さ』 世界が書き換えられる音がする。 いや、それはただの演出ではない。本当に、”現実”が書き換えられていく。 「物語の主人公を殺す展開」 「最強の龍王が敗北する未来」 「勝敗を超えた結末」── それらが、“演出”として真軸に記され、世界に反映され始めていた。 龍王『……!? この空間……俺の能力が“読めない”……だと……!?』 まるでそこだけ、運命の領域から切り離されたような異空間。 OK!Sansは、完全に「物語の支配者」になっていた。 OK!Sans『物語を支配した瞬間、勝ち負けの概念はもう“演出”の一部さ。』 OK!Sans『言ったろ? お前が“世界の中心”なら――』 OK!Sans『俺は、“語りの外”だ』 ほんの一瞬。 戦闘の狭間に、龍王の脳裏に"昔"の映像がよぎる。 ――まだ世界が平和だった頃。 ――彼がただの戦士だった頃。 ――仲間と笑い、弱き者を守るために拳を振るっていた、あの日。 だが。 目の前にいるこの骸骨は、そんな“英雄の在り方”すら嘲笑う存在だった。 龍王(心の声)『こいつは……世界を救う者ではない。だが…世界を"書き換える"者だ』 --- 【クライマックス:次の一手】 龍王、血を流しながらも立ち上がる。 その目には、確かな"殺意"と"覚悟"が宿っていた。 龍王『……ならば、神ではなく。物語ですらなく。』 龍王『この拳で、“すべて”を殴り砕くだけだ。』 拳に宿るは、全ての光と意志。 《龍式・最終術式起動──"絶因"(Zetsuin)》 OK!Sans『……マジかよ。物語を破壊するつもりか? 面白ぇじゃねぇか……!』 互いに、笑った。 そして──拳と刃が交錯する瞬間、 全ての色が消えた。 ──《第六十七話》── 『Absolute Re\:Birth ―語りすら超える拳―』 色が、消えた。 世界から、概念が脱落した。 音も、光も、時間すら“失った”。 ──拳と刃が、ぶつかったただそれだけで。 【虚数領域《Null Scene》】 この空間において、あらゆる物理・概念・演出は意味を成さない。 そこは「世界の余白」──物語に記されていない“白紙”だった。 そして、その白紙の中で立つ二つの存在。 龍王 すべてを超越する《拳》の神。 Absolute!Killer Sans すべてを物語る《語》の怪物。 世界の中心 vs 物語の中心。 それは、創造と破壊、構築と否定の本質的な衝突。 龍王『……ここは……どこだ?』 だが、声にすら意味がない。 言葉すら、ここでは“発音される前”に無効化される。 ──しかし。 OK!Sansは、笑っていた。 その笑みは、「この空間ですら演出の一部」とでも言いたげに。 彼はすでに、この【Null Scene】さえも“物語の余白”として利用しようとしていた。 彼の周囲に、文字が浮かぶ。 空間が書き換えられる音ではなく──“語られる前”の物語のざわめき。 OK!Sans『……ようやく来たな、ラストシーンの舞台が。』 声が、成立した。 彼の“語り”は、物語が成立する以前の領域にまで届いていた。 OK!Sans『この白紙の空間、俺にとっては“編集前の原稿”と同じさ』 そして、彼は宣言する。 OK!Sans『──ここで、お前という"世界"を削除する』 真軸が開く。 彼の背後から、数万の“演出コード”が浮上。 それは【存在の再定義】。 龍王は存在しなかった 龍王は最初から敗者だった 龍王はこの世界にいなかった 絶対的な書き換え。それは言葉ではなく、設定そのものへの侵食。 だが── 龍王の拳が、動いた。 設定も、演出も、脚本も、構造も関係ない。 彼の拳は──ただ一つの意味を持つ。 「否定」 書き換えの最中、拳が“語られる前の物語”をぶち抜いた。 《龍式最終術式・絶因(Zetsuin)》 ──"全否定の拳"(The Fist of Nullification) 言葉すら記せない領域にて、確かに拳が炸裂した。 【ドォン…】 言葉にすれば、たった一撃。 されどそれは、“語りの外側”において初めて成立した「行動」だった。 OK!Sansの顔が、歪む。 笑みが消えたわけではない。 ただ──今、彼の中で「絶対」を凌駕する“存在”を認識してしまった。 OK!Sans『マジかよ……ここ、"俺のフィールド"だぜ……?』 空間が崩れる。 真軸が歪む。 Absolute! Formが、ブレ始める。 彼が支配していたはずの物語が、拳によって否定されたのだ。 龍王『……語るまでもない。拳こそが、"真実"だ』 拳から零れる光──それは、物語の軸に対する純粋な暴力。 「語られる前の世界」で、「語りすら破壊された」今、 OK!Sansはついに── “Absolute!Form”を崩された。 《第六十八話》 『Reversal: 語られざる者』 意識が、暗転。 しかし次の瞬間、異様な"重圧"が龍王を包み込んだ。 OK!Sansの声が、再び響く。 だが、その声はかつてのように軽快ではない。 重く、深く、そして──怒りと狂気が混じっていた。 OK!Sans『……俺の物語を……“破壊”したな?』 声と同時に、虚空が赤黒く染まり始める。 「設定」を「上書き」するのではなく、 「存在そのもの」を「再定義」する最終段階。 --- 《Absolute Rewrite(絶対再話)》 彼が動くたびに、世界が勝手に“物語化”されていく。 龍王は打ち破られるべき存在。 拳の理論は陳腐な幻想。 物語に抗う者は、物語に喰われる。 世界が、龍王を“物語の悪役”として描き直し始めていた。 --- 龍王『……そうか、お前……“語りの根源”に触れているな……!』 彼の身体から、光が溢れる。 これは、“世界”でも“物語”でもない。 彼が持つ最後の力── 《意志(Will)》 世界も物語もいらない。 彼に必要なのは、自らの意思で殴ることだけ。 拳を握り、全身を超高圧の"意志"で包み込む龍王。 その瞬間、龍王の背後にかつての仲間たちの幻影が現れる。 「お前の拳は、いつだって"光"だった」 その光が、物語すら塗り潰す。 《第六十九話》 『運命に抗いし者』 荒廃した地にて── その男はただ一人。 瓦礫と砂埃が舞う、生命の絶えた地を静かに歩いていた。 その手には二振りの刀── 創烙と壊烙。 創造と破壊を司る、概念をも支配する剣。 その時だった。 地面が唸る。 一つの無機物が、まるで死んだ空間を裂くように出現する。 だが男は眉一つ動かさず、静かに構えた。 次の瞬間、 ゴゴゴ…バゴォォォォン!! 拳が唸る。 男の八極拳が無機物を一撃で砕く。 鉄の塊が空を舞い、瓦礫に沈む。 その光景を、上空から“観察する者”がいた。 イリュージョン=レイン『ふふ……さすが、雷光。動きに一点の無駄もない。』 シャドウグリフ『一つ確認したかった。“あの噂”が真実かどうか……』 確認する間もなく、 空が割れ、無数の無機兵たちが降り注いだ。 雷光を囲む黒い影。静寂が、一斉に“足音”へと変わる。 雷光『ほう……近づこうというのか。』 その声には、どこか愉しげな響きすらあった。 雷光『構わぬ。好きなだけ近づけ。ただし──“これが最後だ”。』 一斉に迫る敵。 その瞬間、地が爆ぜるように戦闘が始まる。 --- 【戦闘:絶技の応酬】 雷光の体が風を裂く。 八極拳と剣技が融合した“絶対零度の動作”。 触れれば砕け、避ければ追い詰められる。 敵が群がるたびに、無数の拳が彼らを撃ち抜く。 “命”ではない。だが、その動きは生物すら超える。 雷光『邪魔だな。』 拳一閃──竜巻のように敵を薙ぎ倒す。 そして、一瞬の静寂のあと。 《九喇嘛八極拳・零(ゼロ)》 【零距離・爆発式・極点打撃術】 ──その一撃で、世界が震える。 ゴォォォォン…!! 無数の敵が“塵”と化す。 まるで、存在そのものが“初期化”されたように、形を残さず消えた。 雷光は静かに呼吸を整える。 が、その時。 世界が“反転”した。 色が歪み、音が逆転し、風が止む。 幻覚──否、現実の侵食。 イリュージョン=レイン『素晴らしい。だが“ここから”だよ。』 雷光の頭上、空に座すように姿を現す者。 彼の名は──虚構の嵐(Storm of Phantasms)、イリュージョン=レイン。 同時に、地面が赤黒く染まる。 無数の古代呪印が地を這い、雷光の足元に絡みついていく。 シャドウグリフ『貴様はもう“縛られた”。踊ることすらできまい。』 姿なき呪縛師。 それが──呪縛の刻印師(The Markmaker of Damnation)、シャドウグリフ。 ふたりの強者が、ついに姿を現した。 --- 【心理戦:虚構の侵食】 イリュージョン=レイン『君の心、見せてもらうよ──“本当は何に怯えている?”』 霧が濃くなり、視界が消える。 雷光の周囲に、無数の“過去”が現れる。 かつて救えなかった者たち。 破壊してしまったはずの“理想”。 崩壊した未来。 否定された神々。 それらが、言葉にならない“問い”を雷光に投げかける。 幻影たち『お前は破壊者だ。創造など、偽りだ。お前はただ、壊してきただけだ。』 雷光(心中)『……フン、下らん。』 その瞬間、雷光の目に閃光が灯る。 雷光『なら創ってやる。 お前たちが正しいと信じる“世界”を……ただし、その直後にすべて壊してやる。』 創烙が蒼白の輝きを放つ。 次の瞬間、幻覚が現実に“上書き”されていく。 幻想が、雷光によって“現実”に変換され、 逆にイリュージョン=レインを侵食し始める。 イリュージョン=レイン『なっ……!? 何故、僕の幻覚が……僕を襲ってくる!?』 雷光の幻覚が反転する。 “お前が殺される未来”が、千通りの幻覚としてレインを包囲する。 雷光『お前の“恐怖”を俺が創ってやったんだ。飲み込まれて眠れ。』 イリュージョン=レイン、精神崩壊寸前。 空間にノイズが走り、霧が吹き飛ぶ。 【呪印の牢獄:禁じられた封印】 だが、その刹那。 雷光の体に、赤黒の呪印が走る。 シャドウグリフ『忘れるな。“力”は縛られ、“概念”も刻まれる。』 空間ごと、雷光の創造力が抑制されていく。 創烙が鈍り、壊烙の軌道が乱れる。 シャドウグリフ『我が刻印は、神の存在すら縛る。貴様の“創造と破壊”など、無意味だ。』 雷光は、刻まれた呪印に一瞥をくれ、ただ呟く。 雷光『……ならば、呪いそのものを壊すまで。』 壊烙が震える。 雷光が、刻印の中心に向かって刀を振り下ろす。 その刹那── 《壊烙・絶対否定術式(Nullify Concept)》 「すべての“縛り”を、存在ごと消す。」 空間に刻まれた呪印が消滅。 術者・グリフとの“契約の系”が断ち切られる。 シャドウグリフ『……な……俺の…刻印が、否定された……!?』 雷光が、静かに歩み寄る。 雷光『お前の術式は、世界の“規則”に頼りすぎた。 だが俺は──世界を“創る”側だ。』 壊烙が閃き、 シャドウグリフの“存在の座標”が削除される。 次の瞬間、 シャドウグリフ『チクショォッッッ!!!!!!!!』 刻印と共に、彼の姿が世界から“消去”された。 完全勝利。 --- 『第七十話』 《虚構の終焉、そして天断の雷》 雷光は、圧倒的な創壊の力で無数の無機兵を一撃で粉砕。 イリュージョン=レインとシャドウグリフ、2人の強敵を迎え撃つ。 幻覚と呪印で雷光を束縛しようとするも、 創烙と壊烙の力で呪印は否定され、シャドウグリフは消滅。 残るは──“虚構の嵐”イリュージョン=レイン。 【虚構の逆襲:精神世界の暴走】 シャドウグリフの敗北を見届けたレインの笑顔は、歪んでいた。 イリュージョン=レイン『あぁ……やっぱり、“普通の攻撃”じゃ通じないのか……』 その笑顔が、徐々に裂けていく。 彼の体が、まるで絵画のようにひび割れ、色を変える。 イリュージョン=レイン『じゃあ──“現実”ごと、歪ませてやるよ。』 その瞬間、空間全体が崩れ始めた。 瓦礫、空、重力、音、匂い──すべての現実がバラバラに解体されていく。 雷光の足元が消える。 地平線がねじれ、天が下に落ちる。 そして無数の「雷光」が現れた。 過去の彼、未来の彼、狂気に堕ちた彼、誰かに殺された彼。 それらが、同時に襲いかかってくる。 イリュージョン=レイン『君自身が、一番君を殺したがってるんだよ。』 【精神領域:幻界無限層】 イリュージョン=レインの奥義が発動する。 > 「幻想の層を何重にも重ね、現実そのものを“無限の精神空間”に封印する。」 雷光の肉体は停止。 意識だけが、“終わりのない夢”へと落ちていく。 彼の前に現れたのは──過去に殺した者たち。 かつて剣で壊した世界。命乞いをした神々。 懐かしい顔。愛した者たち。全てが問いかける。 幻影たち『それでも壊すか? それでも創るか?』 雷光の表情は、一切変わらない。 雷光『当たり前だ。俺の剣は──そのためにある。』 次の瞬間。 彼の“精神”が逆に空間を飲み込んだ。 【逆転:創壊天舞・迅雷断界】 雷光の両手に再び、創烙と壊烙が現れる。 精神世界であるにも関わらず、その刀が現実のように輝く。 雷光『創ってやるよ──お前の望んだ、完璧な“絶望”の世界を。』 刀が振るわれるたびに、幻想空間が書き換えられる。 過去も未来も、虚構も真実も──全てが雷光の「創造と破壊」に塗り替えられていく。 イリュージョン=レイン『バカな……僕の精神領域が……!僕が創った世界なのにっ!!』 雷光が最後に、一歩前に進む。 地平が揺れ、空が割れ、本当の現実が戻ってくる。 --- 【雷光の最終奥義:雷神創壊・天断裂華】 > 『踊ろうか──世界が崩れるまで。』 空を覆う雲が裂け、雷鳴が唸る。 雷光が天に刀をかざす。 創烙は世界を咲かせ、壊烙は宇宙を散らす。 すべてが沈黙する。 時間が止まったような一瞬、 雷光の刀がゆっくりと下ろされる。 ゴアアアアアアアアアアアアアアアッ!!! 幻想空間が爆散。 空間も時間も、精神も肉体も、すべてを断ち切る雷の一閃。 イリュージョン=レイン『……美しい……な……。』 その言葉を最後に、彼の体が“光”となって消えた。 残骸も、痕跡も、恐怖さえも──何一つ残らず。 【静寂と、歩く影】 戦場は再び、荒廃した静寂を取り戻す。 無数の敵を倒し、 幻覚を砕き、 呪いを否定し、 雷光はただ、一歩前へと進んだ。 そして、誰に聞かせるでもなく呟いた。 雷光『望んだか? お前たちは。こんな終わりを──』 背に光を背負い、 刀を鞘に納める音が、空を割った。 --- 『第七十一話』 【時空神 vs 幻龍神】――《刻限の決闘》 白き空間は、戦場と化した。 すべてが光に包まれ、だがその中心に立つ2柱は、あまりに異質だった。 一柱は、秩序の支配者──時を司る女神、Cronos=Memoria。 もう一柱は、混沌の侵蝕者──時空を蝕む幻龍神、禁忌の幻龍。 空間に色はなく、時間の流れすら止まったかに見える。 その静寂を破ったのは──幻龍の咆哮。 幻龍の先制攻撃 禁忌の幻龍『“今”という概念そのものを喰らい尽くしてやる。』 次の瞬間、空間に裂け目が走る。 《虚空咆哮(ヴォイド・ロア)》──! 破壊された白空間の奥から、無数の歪んだ時空波が女神へと襲いかかる。 だが── Cronos『遅い。すでに“観測”済みだ。 今なら変えられる…貴方に負け、堕天した未来をッ!』 Cronosの瞳が回転する。 七重の黄金円環が浮かび、歯車が軋むとともに、彼女の前に秩序の結界が展開される。 《秩序封陣(オーダー・サークル)》──! 幻龍の咆哮は、空間の枠組みそのものに吸収され、無効化される。 幻龍『面白い…本当に、お前の存在は“秩序”の象徴か…』 Cronos『私はこの宇宙における、“歯車”そのもの。混沌も狂気も、巻き戻せる。 何故なら…今貴方が見ているのは…二代目として神のトップへ君臨した…二代目最高神。 "クロノス"だから…』 Cronosが軽く指を鳴らすと、空間のテンポが激変する。 歯車が回り、時間のリズムが狂い、女神が分裂したかのように現れる。 瞬間移動、未来視、軌道読み、時の跳躍―― 《時空律動(クロノ・シンフォニア)》発動。 幻龍(……なに?俺の攻撃がすべて──“見切られている”…?) 七つの眼で未来を視るはずの幻龍が、女神の行動だけは追えない。 Cronos『あなたの“視界”に私の未来は映らない。なぜなら、私は“未来を織る者”だから。』 封印の始動:想刻の鍵、解放 左手の因果の砂時計が回転し、砂が零れ落ちる。 その瞬間、右手の鍵が輝き始める。 Cronos『これが、“あなたを封じる”唯一の術。』 《想刻の鍵(キー・オブ・メモリア)》が放たれ、幻龍の胸部へ向かって飛翔。 幻龍『貴様如きに……私の“存在”を止められると思うなァ!!』 幻龍の翼が広がり、《終焉の翼(エンディング・ウィング)》が発動。 空間が断裂し、次元が揺らぐ。 だが── Cronos『あなたの“時間”はここまで。』 彼女が“因果織り”を発動する。 《因果織り》──1戦闘1回限りの特異スキル。 その効果は、「過去と未来の運命を縫い直す」こと。 女神は幻龍の“封印を拒んだ未来”を、 「封印が成功した」未来に“上書き”した。 それはまさに──時空の神にしか許されない、因果改竄(ハック)。 幻龍『これは……な……なにをした……!? 私の……未来が……“書き換えられていく”…!?』 光が降り注ぐ。 時間の歯車が重なり合い、巨大な時計塔が空間に形成される。 その中心に──禁忌の幻龍が囚われる。 七つの眼が見開かれ、抗うが、 その身体は時間の結晶となって封じられていく。 Cronos=Memoria『おやすみなさい、“時を喰らう龍”。』 最後の一言とともに、《想刻の鍵》が“封印”を確定させる。 戦いが終わり、白い空間は静寂を取り戻す。 Cronosは砂時計を見つめ、ぽつりと呟いた。 Cronos『……あれほどの力を持ちながら、あなたは一人だった。』 微かな哀しみをその瞳に宿しながら、彼女は空間から姿を消す。 最後に残ったのは、 封印された“幻龍”を囲む時計塔の欠片と── もう、止まることのない、時間の流れだった。 ネクロ『もう…一度…顕現させる。いつかまたッ…!!』 《第六十九話・後半》 『Shadowlog:記録されなかった者たち』 白紙の世界《Null Scene》に拳が走る。 語りを砕く無銘の拳。 演出を凌駕する絶対再話。 だが── 砕けたのは、決着ではなかった。 激突の余波が収まったとき、そこに立っていたのは、まだ互いに立ち続ける二柱。 龍王、拳を握ったまま。 OK!Sans、片膝をつきながらも、なお笑みを崩さず。 静寂。 その中で── OK!Sans『……なるほど。やっぱ、アンタは“特別”だわ。』 ゆっくりと立ち上がるOK!Sans。 その胸元には、龍王の拳による亀裂が刻まれていた。 だが── 龍王の背中にも、深く突き刺さったナイフの“痕”が残っていた。 それは、確かに。 彼の神域の肉体に、生涯初めて刻まれた"傷"だった。 龍王『……まさか、俺の肉体に……傷をつける奴がいるとはな』 OK!Sans『そっちこそ……俺の語りを“壊せる”存在がいるとは思ってなかったよ』 互いに微笑みながらも、視線は鋭い。 しかし── 戦いの空気は、もう消えていた。 OK!Sans『おっと……そろそろ引き際かな』 周囲に再び“語り”の風が吹き始める。 だが、今回は攻撃のためではない。 撤退の演出。 龍王が静かに問いかける。 龍王『……何のつもりだ。俺に恐怖を与えて、傷をつけて……それで、退くのか?』 その問いに、OK!Sansは一拍置いてから── OK!Sans『そ。そんだけ。』 OK!Sans『"お前さんにも、恐怖ってのを味わっといてほしかっただけさ"』 OK!Sans『なぁに、こっちとしては……』 OK!Sans『“物語に、ほんの少しだけ『緊張感』が欲しかっただけ”ってことよ』 言い残し、彼は身を翻す。 背後から真軸が開き、空間に退路を拓く。 だが、その寸前── OK!Sansがふと足を止め、片手を挙げる。 そして、まるで軽口を叩くように、振り返りもせずにこう呟いた。 OK!Sans『あー、そうだ。もう一つだけ──』 OK!Sans『その"背中の傷"、世界中の神様に自慢しとけよ』 OK!Sans『──"生まれて初めて、誰かに刺されたんだ"ってな?』 OK!Sans(ニヤリ) OK!Sans『ま、病院行くなら……俺の知り合いに"因果律の整形外科医"がいるから紹介しとくぜ』 龍王『……クソ笑えねぇジョークだ』 OK!Sans『だろ? でも効くだろ? 刺すように。』 そう言い残し── OK!Sansの姿は、語りの渦に呑まれて消えた。 まるで最初から「語られる存在ではなかった」かのように。 一人、龍王が虚数領域に立ち尽くす。 傷口からは、今なお"物語の余韻"がにじんでいた。 痛みはある。重みもある。 しかし、そこには確かな“何か”が残っていた。 龍王『……これが、"恐怖"……か。』 拳を握り直す。 龍王『だが……この程度、痛みじゃねぇ。』 龍王『──次に会ったときには、殴り返すだけだ。』 『第七十一話』 《燃える紅き眼》 Nexus『……ゼロ。お前がアレスに手を出さなければ、俺はもうここにはいなかった』 ゼロ『なんでこいつは……あの女に、そこまで執着してやがる!?』 コズミックブレイク『帰る? 面白ぇこと言うなよ、そんな生ぬるい選択が通じる相手だと思ってんのか?』 Nexus『この拳は……アレスの痛みだ』 ――その瞬間、Nexusの拳に“歪んだ因果”が宿る。周囲の空間が音を立てて軋み、まるで次元そのものが裂けたような轟音が響き渡った…。 ――《デス・ディストーション》 Nexusはイリュージョン・スピードでコズミックの攻撃を躱し、ゼロの目前に瞬時に現れる。 ゼロ『……ッ!?』 避ける暇も、構える余裕もなかった。 Nexus『消えろ』 怒りの拳がゼロの顔面に直撃。空間をねじ曲げる衝撃と共に、ゼロの体が吹き飛ばされた… Nexus『……少しは、マシになったかもな』 ゼロ『くっ……てめぇ……』 コズミックブレイク『(……こいつをこの場で潰せば邪魔は消える。だが、今殺したところで得られるものが少なすぎる……。中立神のゼオスも黙って見ているわけがねぇしな……)』 ゼオス『考え込んでる暇があるのか?』 巨大なランスが光を纏いながらコズミックへと迫る。しかし…… コズミックブレイク『――遅い』 コズミックが片手を掲げ、放った波動弾がランスを粉砕する… コズミックブレイク『……ジェネシスが落ちたか。さすがは“The world about”……』 ゼオス『プリズム・フォレストの選定者か……』 Nexus『おい、世間話してる暇があるのかよ。“こっちはもうケリをつけるつもりだ”』 ゼロの首を掴み、右手に力を込めるNexus。ゼロの手足が痙攣し、力が抜けていく… ゼロ『ぐっ……うぉ……』 ゼオスが反応し、攻撃を放とうとする――その瞬間 ???『……やめなさい、ネクサス。今すぐに……』 柔らかくも威厳を帯びたその声が響き、空間が静止したように時間が止まる Nexus『……っ!?』 手を放す。ゼロが地面に崩れ落ちる。 ゼオス『その声……ビアトリス……? これは一体、どういうつもりだ』 ゼロ『ビアトリス様……?』 Nexus『……母さん……なぜ……?』 コズミックブレイク『クク……女神ビアトリスか。だがな――貴様ごときに、この俺を止められると思っているのか?』