学校の窓辺、朝日が照らす教室。一人一人の名前が順番に呼ばれていき、とある少女もまた名前を呼ばれるのを待っていた。 ___その少女の名は……、 「山田詩さん〜!」 名簿に刻まれた名前、それを教師が呼ぶ声、私は白塗りの天上に向けて手を伸ばして返事をした。 「……はい」 おはようございます、私の名前は山田 詩(やまだ うた)と申します。 少女の吐息、打倒者は退屈そうに机に頬杖をついた。 今の私はフウタローの妹という役割を任された存在。しかし、私の我儘が聞き入れられるのであれば、本当は妹より"姉"の方がよかったと思っている。 まぁ、後から愚痴をこぼしたところで先が良くなる訳でもない。私は、鬱屈とした教室で溜息を漏らす。 退屈だ、平和すぎてゾワゾワとする。何と言えば適切かは分からないが、こんな平和ボケした空間にいると落ち着かないのだ。 机の上にある消しゴム、それをほんの少しだけ指先で小さく転がせる。 ……というか、最近は色々とありすぎて正直なところ疲れてしまいました。こんな温かな日差しが登る日に集団で集まって頭を使うなんて非効率的です。もっと有意義な時間の使い方というものが……、 ___脳裏を駆けるは死闘。 机に体を突っ伏した、特に潰れる要素のない胸部を机に押し付けて両腕を枕のように組んでみせた。 眠気が肉体を支配する。その脳裏では、フウタローとの 「」