昔の俺は妻と子供がいて普通の暮らしをしていた。とある雨の日にいつも通り仕事をして帰る時に事件があった。その雨の日は俺の誕生日だった。帰宅中に妻と赤い傘を持った子供が家の前で待ってくれて、手を振ってくれていた。だが次の瞬間にはトラックが妻と子供に激突していて真っ赤に染まっていた。妻も子供もトラックの運転手も即死だったらしい。もし俺に力があれば守れたかもと雨に濡れながら泣いていた。 そんな時だった。私の前に二人の悪魔が姿を現した。名前はヴェパルとゼパルと名乗っていた。ヴェパルは私にあの雨の日の出来事を忘れず懺悔する、雨を力にした力をくれる契約。ゼパルは溺愛していた娘の赤い傘を使い水を操り家族と再開できる力をくれる契約を結んだ。契約をしたことで二人の悪魔を体に宿し自分の死後に魂を捧げることになった。 そして俺は、あの日からもし自分が速く帰っていたらと毎日、懺悔した。だから今日も溺愛していた娘の赤い傘を持って不条理な世界を憎んでいる。