■世界観:断層世界《ヴェルト・シュラーフ》 あらゆる世界は《断層》と呼ばれる時空の層に沿って並列・重畳して存在している。人間の歴史や神話、英雄譚もそのひとつひとつが独立した「可能性の世界」に過ぎず、それら全てを俯瞰する存在 ――それが赤屍リネである。 ――あの日、空が崩れた。 世界が終わる時、誰もが“勇者”の名を口にした だが、誰一人、その名を継ぐことはなかった。 「だからこそ、導かねばならない」 冷たい月の下で、チャイナドレスを揺らしながら、少女は静かに立っていた。 彼女の名は赤屍リネ。 神性であり、導師であり、真理の器。 「勇者とは、ただ剣を振るう者ではない。 この世に“可能性”を灯す者だ」 ■補足:リネと「勇者」 この世界において、リネは常に“勇者の影”として物語の背後に現れる存在。 時に剣術を授け、時に死に瀕した者の背に手を添え、あるいは彼岸からその者の「可能性」を導き出す。 リネが導いた勇者は何人もいる。だが、彼女自身が“勇者”と呼ばれた時代がある。