ある日、冒険者ギルドに一人の子供が捨てられた。 背には白く小さな翼が生えていた。 その子に名は与えられず、冒険者はただ『白翼』と呼んだ。 十二の歳になったとき、白翼は自らの意思で冒険者となった。 そこからの活躍は凄まじかった 魔物の大群を、たった一人で鎮圧し、 災害級と恐れられる魔物を単独で討伐し、 かつて世界を滅ぼしかけた最恐の龍王を封印した。 いつしか、人は彼女をこう呼ぶようになった 【風翼の守護者】と そんなある日、白翼に一件の依頼が舞い込んだ。 内容は『王城に落下した焼死体の調査』 高額の報酬以上に、白翼の心を動かしたのは、依頼の詳細だった。 現場には凄まじい暴風が発生しており、誰も近づくことができないという 白翼は調査に向かった。 そして、そこで“それ”を目にした。 背から伸びる、白く美しい六枚の翼。 頭上には、淡く光を放つ緑の光輪。 ――だが、それらはすべて、黒く焦げ落ちていた。 そこで白翼は直感で理解してしまった。 これは、■■であると――。 動揺する白翼の前で、黒焦げの■■が、ゆっくりと動き出した。 「■■■■■■■」 「……なにが、あったの?」 「■■■■■■■■■■■■」 「そんな……いきなり、そんなこと言われても……」 「■■■■■■■■」 「そんなの……どうすればいいの……?」 「■■■■■■■■■■」 「……え?」 「 ■■■■■■■■■■■」 「■■■■■■■■■」 「……嘘、でしょ……?」 「■■■■■■■■■■」 「■■■■■■■■■■■■■」 「ま、待って!!」 「■■■■■■■」 そして―― ■■の淡く光る光輪が、白翼の手の中へと託された。 ■■は、そっと灰となって崩れ落ちた。 次の日 ✦✦を打ち倒す力と、共に戦う仲間を得るために。 そして、もう二度と、大切な人を失わないために。 白翼は旅立った。 翼を持って生まれた少女は、 やがて【風翼の守護者】と呼ばれ、 世界を救う英雄となる。