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《傀儡の魔女》アリス

「生きて、どうか幸せに」 その言葉を最後に、ママの頭は潰された。 パパは、糸の切れたマリオネットみたいに ひしゃげ倒れていた。 檻の隙間から覗く地獄。 私の幸せを食い潰す害虫達。 私の中の「糸」がプツッと、切れた音がした。 気付けば森の奥、 私は檻の中で脱け殻のように倒れていた。 傍らには村人達の亡骸。 その身体の各所から伸びる糸は、 私の五指に繋がっていた。 私は、私が正しく 「魔女」であることを理解した。 害虫は、私だ。 それから間もなくして、檻と糸に閉じ籠る私の元へ あの人が現れた。 絶望し、全てを諦めた私の拒絶の一切を、 その迸る光に飲み込んで ーーー閃光の魔女は、勝ち誇るように笑った。