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偽装者は語る

「…なるほどね。」 「そっかそっか、それじゃ… もう終わりにしようか。」 「もう君もなんとなく気がついてるんでしょ?だから話した方がいいかなって。」 「私にはどーしても叶えなきゃいけない夢があってね。ここまで君たちに手伝って貰ったのはその夢を叶えるため。」 「そう。それにはどうしても「12の箱」と「箱」と同じ数の英雄の魂が必要だったんだよね。いやー今まで黙っててごめんね~。」 「ん?その夢ってのは何かって?」 青の魔術師は悲しげな目で話を続ける… 「私の今はもう亡くなった親友…あぁ、「赤の魔術師」の夢を叶えるためさ…」 「あいつが最後まで望んだ、すべての人間が手を取り合って、共に助け合う!そんな平和な世界を作りたいんだ!だから…だから私は!」 「「化物」を皆殺しにするんだ♪」 その瞬間、突如首筋に激痛が走る… 視界が揺れ、手足に力が入らない… 振り返ると人の背丈ほどの巨大なムカデが自身を見下ろしていた… 「戻れ。」 「青の魔術師」が命じるとムカデは空間に現れた穴に消えていった… 「背後には気をつけた方がいいよ?私みたいな外道は常にこういうことばっかり考えてるから。」 いつの間にか彼女の顔に浮かんでいた悲しげな表情は消えていた… 「あ、死ぬことはないから安心して?少し眠って貰うだけ。」 「君のようないい子にはぜひとも私の作る楽園に来て欲しいし。なにより君も争いも何もない、そんな平和な世界の方が好きでしょ?」 「え?どういうことかって?」 「平和な世界を作るためにはどーしても邪魔な物があってね。金のことしか考えてない権力者、平気で子供を売り捌くクズ、武器を売るために戦争を起こさせようとする武器商人…」 「そんなゴミどもは潰しても潰しても虫のようにどこからか沸き出てくる。そんな「化物」どもが出てきてから潰す…そんな方法じゃあキリがないし、あいつが望んだ平和な世界を作るだなんて夢のまた夢。「優等生」の君ならわかってくれんじゃない?」 「だから私は「化物」どもを押さえつけるために圧倒的な力を手に入れることにしたんだ。そして、その力を手にした後は、見せしめとして奴らを皆殺しにすることにしたんだ。」 「そうすれば悪いことをしよう!だなんてアホなこと抜かす連中はもう生まれない。皆が私に殺されることに怯えて、嫌でも仲良く手を取り合う…そんな理想の楽園、「最後の楽園」を私は作ることにしたんだ。」 「どう?思っていたよりイイ話でしょ?おっ、見つけた見つけた♪」 かつて「青の魔術師」として人々を救っていたであろう彼女は、貴女から「箱」を取り上げた。 「これはその計画に必要な大事な物なんだ。中にはとんでもないモノが封印されてて…おっと、ここからは見てからのお楽しみにしておこうか。」 「それじゃあいい夢を。次に君が目を覚ました時には…とっても美しい楽園が君の目の前に広がっているよ。」 「あ、そういえば…まだ私、名乗ってなかったよね?それじゃ、今さらだけど自己紹介を…」 「青の魔術師?その名は捨てたんだ。」 「今は獣の魔女… 「獣の魔女、ヴォーティガーン」… そう呼んでよ。」 to be continued … 称号獲得 《二級エージェント》 追加獲得称号 《夢の終わり》