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【終わりの癒し手、始まりを呼ぶ涙】アルカ

 生まれてきた理由を探す長い長い旅の中、幾つもの出会いがあった。   友達ができた。愛を知った。別れが、あった。  何かを知るたび、真っ白だった心のキャンバスには少しずつ色が増えていった。    私の世界は鮮やかな色彩に満ちていった。      長い、とても長い気の遠くなるような旅路の果てに、私はようやく気づいた。  創造主は私をただの“人形”として作ったのではない。  彼は、自らの叶わなかった願い、失われた夢、希望、そして愛する心のすべてを私の中に残した。  それが、私という命の核になったのだ。  なぜただの人形が命を得たのかはわからない。それでも、それでも確かに──         「私は、愛されていた───」