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【O-01-04】憎しみの女王

職員 M4032: では、改めまして、今日の調子はいかがですか? 魔法少女: 絶好調よ。世界は平和で、ここも穏やかなものだもの。 平和はとっても素敵。悪人がいないってことだもんね。 職員 M4032: 今日は少し落ち込んでいるようですが。 魔法少女: まだ、大丈夫。世界は、平和で、ここも... (沈黙) (中略) 職員 M4032: ちょっと、本当に大丈夫ですか? 魔法少女: どうしてこんなにも平和なの? あたしがいるのは邪悪な悪者を倒すためなのに これじゃあたしが 世界に必要とされてないみたいじゃない? あぁあたしが魔女って言ったかしら? あたしは世界に 平和をもたらすために選ばれたの それなのに今日も世界は穏やかで (アブノーマリティは理解不能な独り言を呟き続けた)(アブノーマリティは不安と脅迫的な症状を示した。職員が収容室に入ったことすら気が付かなかった) 魔法少女: 世界は 善と悪にわかれている あたしは 正義で でもあたしが善なら悪も いなければ 悪なしで あたしは存在できない だったらだれが 世界をまもる の? これらの症状が現れた後、彼女は3日間持続する強力な麻酔剤で鎮静された。 インタビュー記録 S3_4921 ≪警告≫この文書はレベル3以上の職員のみに閲覧が許可される 記録日時██日、事件番号██-████ アブノーマリティは、緊急対応チームの職員を呼びだすために、収容施設の緊急電話を使用した。 魔法少女: (すすり泣く音) 職員: こちら緊急対応チームです。職員IDをどうぞ。 魔法少女: あた、あたしがやったの。あぁ、あたしは... あたしは自分を止めることができなかったんです。 もし死んでいたら、あたしのせいです。あたしがすべて、こんなひどいことを。 あんなに優しくしてくれた人たちを、裏切ってしまいました。なにもおぼえてない... 職員: 何が起きたのですか? 魔法少女: わからない。みんな動いてない。血がたくさん。ごめんなさい。あたしは、ただ... ごめんなさい。 (中略) アブノーマリティの収容室から3つの死体が見つかった。 発見された死体は、事件を防ぐために割り当てられた職員のものだった。 その後、小さな魔女は事件全体の記憶を失った。