「…あぁ、実によい物語だった…」 彼は満足そうに頷くと、本を閉じて貴女に向き直った。 「君の「物語」、確かに聞かせてもらったよ。」 「そして、「読ませて」もらったよ。」 貴女の名前が刻まれた本の表紙をいとおしそうに撫でながら彼は続ける。 「君はこれからも君の物語を紡ぎ続けるといい。」 「俺は君の「物語」の読者として、君の旅路を祈っておこう。」 そう言うと彼はゆっくりと椅子から立ち上がり、手にしていた本を本棚に丁寧に仕舞う。 「おっと、忘れるところだった。」 「君の「物語」を読ませてくれた礼だ、持っていけ。」 獲得称号 《「」は、今日も「物語」を紡ぐ》 「なに?最初の「」には何が入るのか?」 「そうだな…君の名前をそのまま入れるのも良し、君を表す二つ名を入れるも良し。」 「つまり、君を表す「君だけの称号」を作ってくれ。」 「では、縁があればまたどこかで会おう。その時は君の「物語」の続編を見せてくれ。」 「また会おう、「主人公」。」