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サイボーグ熊

・終末シリーズ第二章 廃墟の町を出発し、次の拠点に向かっていた俺たちは、森の中に差し掛かった。SAKURAは興奮気味に周囲を見回している様子だった。 「この森、自然が生き返っている感じがします!」 そうだ、戦争が終わった今、自然が再び領土を取り戻している。廃墟の町から離れると、荒廃した景色とは対照的に、緑豊かな森が広がっているのだ。 その時、俺の警戒心が鈍らせることなく、異変を感じた。森の奥から、低い唸り声が聞こえてきた。 「何かがいるな…… 注意しろ。」 俺の警告を受け、SAKURAも慎重になる。その矢先、木々の間から大きな影が姿を現した。その体は巨大で、毛皮を強化したような装甲が頑丈に覆っている。そして目には狂気の輝きが宿っていた。 「サイボーグ熊……」 SAKURAが固唾を呑むように言った。俺も彼女の言葉を裏付けるように、劣化ウラン砲を背負ったサイボーグ熊の姿を目に焼き付けた。 「おそらく、野良の個体なんだろう。最終戦争で連邦国側が用いたサイボーグビーストシリーズの最高傑作…… 野生に戻って本能戻っているのか。なかなか厄介だ!」 SAKURAの表情が厳しさを帯びる。彼女は戦場で何度も敵として戦ってきたのだろう。 俺たちとサイボーグ熊の視線が交差し、戦いの幕が切って落とされた。 「SAKURA、俺が引きつけて、お前が攻撃の隙を見つけろ。」 SAKURAが頷くと、俺はゆっくりと一歩踏み出した。サイボーグ熊は俺の姿に反応し、咆哮を上げながら迫ってくる。 俺は身構え、闘志を燃やす。俺たちの冒険は始まったばかり。敵に打ち勝って成し遂げるべきことがあるのだ。 サイボーグ熊が一気に襲い掛かってきた。俺は必死に身をかわし、近付かせないように回避するが、ヤツの攻撃手段は多彩で、組み付かれる寸前まで追い詰められていた。 SAKURAがその隙を突いて、劣化ウラン砲を装備した背面兵装を狙い撃つ。そして、確かな手練手管で熊に向けて砲を発射した。 しかし、サイボーグ熊はその攻撃をかわすと、再び俺に襲いかかってきた。 「しつこい奴だ……!」 SAKURAが苦戦しつつも冷静に立ち回る姿に、俺は感心しつつも、危機を感じた。 このままで戦いに勝つことはできるのだろうか……