西暦2182年、人類が宇宙資源を求め、スペースプラントと総称される太陽系外惑星への進出を本格的に開始してから18年。宇宙産業企業連邦によるスペースプラント労働者たちへの過剰搾取と劣悪な労働環境に不満を持ったスペースプラント労働者達が、労働環境の改善を訴え、集団ストライキを起こした。彼らの悲痛な決死の訴えに対して宇宙産業企業連邦は武力弾圧という形で彼らに答えを突きつけた。この出来事は瞬く間に周辺プラント惑星の労働者たちに知れ渡り、彼らの反抗心をより強固に高める火種となった。彼らはプラント労働者解放戦線を結成し搾取体制からの解放と自由権の獲得掲げ、企業連に宣戦布告を宣言した。企業と解放戦線の戦いは熾烈を極め、戦火は瞬く間に周辺プラント惑星太陽系を包み込んだ。この戦いは後に「プラント戦争」と呼ばれ、人類史開始から初めて、宇宙空間で勃発した大戦争として歴史に名を刻むことになる…。 企業のエゴと自由を求める労働者の叫びがぶつかり合うこのプラント戦争において、ある1つの職業が脚光を浴びた。それが傭兵である。傭兵は、戦力の乏しい解放戦線において特にその重要性を確立していき、多くの傭兵が重要な戦力として戦争に身を投じていった。そんな混沌とした戦争においてただ一人、誰の味方にもつかない孤高な独立傭兵がいた。彼は報酬が弾むのであれば両陣営どちらの依頼も分け隔てなく受け、全て完璧に遂行するのと同時に両陣営を完膚なきまでに叩き潰して戦況を混乱させていた。彼の活躍により疲弊した両陣営は、講和会議を開き企業連が労働環境改善と労働者に対する待遇の見直しを約束する形で合意、終戦を迎えた。彼は後に終戦の影の立役者として、そしてその鬼神のような戦果と依頼とあらば戦友すらも手に掛ける冷徹さから、「プラント戦争の黒い死神」と呼ばれ歴史にその名を刻んだ。 終戦から忽然と姿を消し、42年経った現在に至るまでその消息は不明だったが最近になってプラント-3にて度々目撃情報が確認されるようになった。 彼の活躍は傭兵の間では「黒金神話」として神格化されながらも現在まで語り継がれており、彼は全ての独立傭兵たちの憧れの的でもある。 真偽は不明だが「黒い死神のパイロットを見た」という情報が確認されている。情報によれば、パイロットは15歳ほどの少女であるという。巷では、「黒い死神は不老なのでは?」「黒い死神の後継者か?」などと噂されている。