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アントマン

今日は争いが、諍いが、戦いがない穏やかな日だ。アントマンはこんな日に珍しく外に出ていた。 悍ましい見た目故に戦いや災害派遣の場以外では外出を自粛している彼が何故外に?と大人達は不思議に思い聞いてみた。 「どうして外に出ているんだい?抗争でもこれから起きるのかい?」 アントマンは単調にこう答えた 『病院に住む少女が私に要請してきたのだ。「正義のヒーローなら私を助けて」と。だが私には病を治す力などない。…私は正義のヒーローを名乗っていいのだろうか。』 そう淡々と嘆くアントマンの手には綺麗な花冠が握られていた。