行き場無き騎士、救いの時 https://ai-battler.com/battle-result/clw7rs67o01kis60o2r40yjf7 「アークレッシュ家の恥さらし」 そう言われ家を追われたリヴィアルは、 仕える主も、家も、力すらも失った。 家を追われてから一体何年経っただろう。 「誰でもいい…誰か助けてくれ……」 だが、その言葉に返答する者はいなかった。 ボロボロな鎧 名家アークレッシュの古びた意匠 そんなものに、誰も見向きもしなかった。 だがある時、行商人に出会った その者はとても優しかった こんな騎士でも、気に掛けてくれた 話し掛けてくれた 嬉しかった。 だから付いていった。 …もし。 もしあの人が、俺を受け入れてくれるなら…… その時、声を掛けてくれた。 救いの手を、差し伸べてくれた。 鎧の中。 彼に気付かれぬまま。 いや、気付かれてただろうか。 少し、泣いてしまった。 あの一言は、とても暖かかった。 ありがとう。 だから…俺に出来ることを… 「あなたに、絶対の忠誠を誓います。」 共に旅をすることを決めた。彼と一緒に、これから先、未来を歩んでいくことにした。 「例え世界があなたに敵対したとしても、私は、その世界すらも打ち負かせて見せましょう。」 「それが、私に出来る唯一の感謝の方法です。」 最近では、 隊商の護衛についている傭兵団【隻眼の狼】のメンバー達やクライヴのもう一人の従者である【モニカ】という女の子に比べ、彼の護衛として、護る騎士として、心が負けているのではないか?と思ってしまう。 前からいる【モニカ】殿と俺では…やはり…… 天と地ほどの差があるだろう。なにより彼女は…クライヴ…いや。我らが主に淡い恋心を寄せているようだ。俺は後に拾われた捨て犬。 彼女の邪魔をしてはならない。 だが彼女はどうやら消極的になっているようだ… …俺が背中を押そうじゃないか。 …我が主は、色んなことを。 俺よりも、彼女に与えてやってほしい。 もっと多くの幸せを。 もっと多くの思い出を。 トラウマは、そう簡単に癒えるものではない それを癒えぬままにしておくのは、 あの小さな子にはあまりに酷だ。 …そうだ。【隻眼の狼】とも交渉してみよう。 せめて、あの二人が二人きりにさえなれば… ……… ………上手く行くだろうか。 ゴホッ…… (血が少し黒味がかってるな…) ……………ん? ああ、我が主でしたか。 心配なさらないでください。 ただの風邪でしょう。 すぐ治ります。いや、治してみせます。 それよりも……… たまにはモニカ殿と二人きりの時間を作ってみてはいかがでしょうか? 隊商は私目にお任せください。 明日にでも、ゴホッ…二人きりになってはいかがでしょう? 大丈夫です。少しでも、多くの人が助かるように動きます。 ですから安心して…ゴホッゴホッ! …二人で気分をリフレッシュでもしてきてくだされ……