いけない〜!、遅刻遅刻〜☆ 焼きたてトーストを咥えて走ってる俺は山田風太郎〜♪ 今日は大事な入学式だってのに、俺ったら本当にドジなんだから〜☆ 曲がり角に差し掛かる、角を曲がれば学校が見えてくる筈!、急がなきゃ〜♪ ___ドンッ! 曲がり角で見知らぬ人物とぶつかってしまった俺、思わず尻餅をついちゃったわ〜☆ ???「君!、大丈夫かい!」 ぶつかった人物からの声、俺は慌てて咥えた焼きたてトーストを完食する。 「だ、大丈夫……でも俺、足を挫いちゃったかも〜☆」 俺は足首を捻ったのか痛みで目には涙を浮かべ、相手の方をウルウルとした目線で見つめた。 「さぁ、僕の手に"捕まって"!、君を抱きしめてあげるから!」 俺の眼前に差し出された指先、俺は高鳴っていく鼓動と共に右手を差し出した。 あ〜ダメダメ!、このまま俺って何をされちゃうの〜☆ 相手から差し出された手を掴んだ、その手はツルツルとして非常に掴みづらかった。 そして、俺は相手の顔をよく見る為、バッと見上げてみた! そこに居たのは巨大な"ムカデ"であった、なんと俺は先程からムカデの"触手"を掴んでいたのであった。 ムカデからの第一声___。 「キシャーーーーッ!!」 俺は___、硬直していた。 「て……、てへぺろ…?」 「イーヤァァァア〜〜〜ッッ!!?」 俺は全速力で背後から迫り来るムカデから逃走を図っていた。 しかし、思いの外にムカデの走る速度は速かった。 「畜生ッ!、どうなってんだよ!?」 突然、夢の世界に閉じ込められたと思ったら、何処もかしこも見渡す限りはムカデだらけで震えが止まらない。 だから___、 だからこそ___、 俺は叫んでいた___。 「ヘルプミ〜〜〜ッッ!!!」 誰に届くかなんて分からない、誰かに届いたところで俺を助けられるかも分からない。 だけど、俺は生きる為に叫んだ。死にたくないから腹の奥底で叫んだのだ。 上空を見上げろ___ッ!、そこにお前の救世主がいるぞ! そんな幻聴が聞こえた気がする俺は、藁にも縋る思いで真っ赤に染まる天空を見上げてみせた。 一筋の光、こちらに舞い落ちる___。 それは一瞬の出来事であった、俺の真横を通過した光が背後で爆風を吹き荒らす。 俺は思わず前から倒れ込むようにして転んでいた、吹き荒れた強風に攫われないように地面にこれでもかと身を広げて耐えていた。 風が止む、すると___! 「呼びかけに応じて参りました。管理塔"出張サービス"担当代理、この私…【打倒者】が貴方の身の安全を保証します。」 そんな声が聞こえてきた、女性の声である。 俺は、その女性の声に思わず顔を上げる。すると、"打倒者"と名乗った人物は綺麗な黒髪を風に靡かせ、俺に優しく微笑んた。 「さぁ、私の手を取ってください、フウタロー!」 小さくも力強い彼女の手、俺は差し出された腕を掴むとグイッと起き上げられる。 「どうして、俺の名前を……?」 そんな問いが、俺の口から飛び出した。 彼女は一体___ッ? しかし、彼女は少し蠱惑的に微笑むと、俺を揶揄うように返答する。 「ふふっ……さぁ?、どうしてでしょうね」 それが彼女、"打倒者"との初めての出会いであった。 https://ai-battler.com/character/edac983b-2adc-4610-980b-351ae75cbe2e