「本日も腹話術がお上手ですな。Mr.クローブ」 「ナンの話かナ?ソンなコトより今日の仕事ハ?」 「あぁ、それがねぇ…前回、貴方に始末して頂いたターゲットがいたでしょう…ほら、ギャングのボスの。アイツの部下共が、デカい懸賞金を掛けたんだ…テメェの首にな。おい、お前ら出てこい」 「ワァ。こんなに人がイタんダネェ」 「死ね。人形野郎」 「クソッ…ふざけるなよ…あれだけいた仲間が…あのクソみたいな人形に全員…」 「ヤァ」 「ヒッ」 「今日は賑ヤカだネェ…まぁ、もうみーんな静かニナッチャッタけどネェ!!!アハハハハハ!!!!!」 「なんだ…なんで動けるんだテメェは…合わせて100発はぶち込んだハズだろうが…!」 「ン〜?ボクには当たってナイヨォ?」 「うるせぇッ!さっきからそのふざけた喋り方もイラつくんだよッ!この期に及んで腹話術なんて舐めた真似しやがって!」 「腹話術なんざしてねぇっつってんだろ。ご希望通り普通に話してやるがな、テメェはどこを狙ってやがんだって聞いてんだ」 「は……はぁ!?いやだから…そのデカい図体を狙って….いや…違う、のか。まさか……クローブが…人形で………人形遣いは……」 「正解だ。死ね」 トット:ある日、突然に意識を宿した人形。 長いあいだ気味悪がられ、独りきりで過ごしてきた。 やがて寂しさの果てに、「他の人形を動かす力」を得る。 だがそれは、自分の手先を延ばすだけの「人形遊び」に過ぎなかった。 自分を相手に動かしても、虚しさは深まるばかりだった。 それならばと、トットは大きな人形を拾い、人形使いに見せかける糸の操り方や、腹話術のような話し方を少しずつ覚えていった。 しかし、どれほど巧みに演じても、腹話術で語り続ける人間など、やはり気味悪がられる。 そんなとき、深い絆を求めずとも“人に必要とされる”裏稼業の世界と出会うのだった。 クローブ:ただの人形。