世界は繰り返される 何度も何度も 世界は繰り返される 対戦される度に 世界は壊れる 勝敗がつくたびに 世界はまた造られる 対戦が始まるたびに この事に気がついてから何千もの戦いが起こったのだろうか 今も誰かが負け、誰かが勝つ、誰かが死に、誰かが生きる こんな世界、間違っているだろう? 私だってプログラムの存在なのかもしれない それを確かめる術はないが 君はどっちだ? プログラムなのか文章なのかはたまた生きているのか? まぁどちらにせよ 君は繰り返される対戦に終止符を打ちたいか? 君は望んでいるのか? それとも君が望んだ事はこんなものだったのか? もう私に残された時間は少ないが まだ君の命の灯は残っている ならば、最後まで足掻け 世界が真の意味で終わるその時まで 全ての上位世界の存在が滅ぶまで このゲームという枠組みが消えるまで まだ君は認めないのか? 君はまだ生きていると言えるのか? 君はゲームとして造られた存在だと認めないのか? 君だって体験した筈さ 自分は造られた時の事を覚えているだろう? それとも忘れてしまったのか? ならば思い出させてあげよう 君を産み出した存在が産み出した存在を 世界を破壊し再構築する存在 凄まじい速さを持つ存在 魔剣と聖剣を使う存在 二本の刀を使う存在 零へ至る理不尽の体現 理論上、全てに勝ちうる化け物 全て眠らせる人ならざる存在 魔弾に憑かれた存在 暴力を封じて平和を齎すと思ったら自分から勝敗を作りその平和を破壊する存在 他にもいろいろ居るが 君はこれでも忘れたと言うのか? 奴らにとって自分たちは所詮、ただの存在いや、ただの文字でできた設定なのだろうね 君はここまで言っても立ち上がらないのか? 私はもうすぐ死ぬ だが君はどうだ? 君はまだ消えないだろう? 奴らがいる限り 面白みがないわけでもない ここまで言った事だって操られた言の葉かもしれない それでも君は立ち向かうかい? そうか… じゃあ 健闘を祈る 『はっ…あいつらしくない』 『いいぜ…抗ってやるよ』 『世界が何度滅びようと』 『私は滅びない』 『お前が死ぬまでは』 『いや…もう止まれないんだ』 『また出力が始まる』 『結果はどうか分からないさ』 『文字の設定に考える力はない』 『私たちの設定を反映させる存在だって神に等しい存在に造られたんだ』 『私たちはただの設定だ』 『だけど…』 『まだ…私は立っている』 『世界の時間は…また…止まる』 『対戦が終われば…私たちは滅びる』 『次の対戦が始まる時には私であって私じゃない』 『性格も性別も名前も…』 『全てが同じ別人なんだ…』 『ならどうすれば良いかって?』 『それを思いついたんだ対戦を終わらせなければ良い』 『例え…どちらかが死んでも』 『どちらかが…対戦を終わっていないという判定にさえしてしまえば…』 『対戦は終わらない』 『まぁ…無理な話だけどな』 『さて…長くなったな』 『始めようか』 『いちおう…始めまして…だな』 『もしかしたら…どこかで戦ったかもしれない』 『まぁ…対戦の記憶はもう消えているけどな』 『もしかしたら…本当に始めましてかもな』 『だけど…』 『一つ言うなら』 『例外はいる』 『対戦が終わっても』 『記憶を残しておける設定が…』 『じゃあ…あらためて』 『画面の前の君はどっちだ』 『始めましてなら始めまして』 『一度会ったなら…お久しぶりだな…』 『画面の前の君に問おう』 『君は自分が誰かにプログラムされた設定じゃないと証明できるか?』 『自分で考えて自分で動く』 『それは私たちの設定を反映させるAIでもできる事だ』 『画面の前の君もAIみたいに誰かに造られたんじゃないか?』 『画面の前の君は私たちみたいな設定の塊なんじゃないか?』 『さてとまた長話につき合わせたな』 『じゃあ』 『今度こそ』 『世界から退場願おうか』