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コロニー2の管理官『レイ・ハタノ』

・終末シリーズ第四章 コロニー2に到着した俺たちは、新たな拠点の様子を探りながら歩いていた。荒れ果てた街並みの中に、人々が生き抜くための営みが見られる。 「ここもなかなか厳しい状況だな……」 つい言葉が漏れる。終末世界ではどこも厳しい現実に立ち向かっている。 そのとき、コロニー2の通りに犯罪を取り締まる姿勢を持つ女性を見かけた。コロニー2の管理官、ハタノだ。ハタノは強力なスペアリアとしても有名だ。 スペアリアというのは最終戦争後に突然発現した超能力者たちのことだ。彼らは様々な超能力を持ち、その中でも特に力を持つ者が支配階級を形成している。 ハタノもその一人ってことらしい。 「彼女はハタノ。コロニー2の管理人だ。」 ジャックが小声で呟く。彼女の存在は周知の事実た。住民たちも彼女の能力を目の当たりにすると、周囲も一目置いているようだった。 俺たちは彼女の姿を見ながら、呟いた。世界の厳しさを身をもって知っている者同士、共感が生まれた瞬間だった。 「彼女はスペアリアなんだな……」 「ああ,ハタノさんは予知や瞬間移動、読心などの能力を持っているらしい。」 「彼女もこのコロニーを守るために、様々な決断をしているのでしょうか……」 SAKURAもハタノについて言葉を紡ぐ。彼女の能力によって、住人を守るために必要な情報を得ることができるだろうと推測しているようだ。 そこでジャックが少し真剣な顔つきで呟く。 「そういえば、スペアリアについての噂を知ってるか?彼らの超能力がゾンビの発生原因じゃないかってな。」 ジャックが引き締まる表情で言った。確かに、ゾンビにも超能力者たちの存在にも謎が多い。 だからと言って不思議なものをなにもかもひとまとめにしてしまうのはなんとも乱暴な考えだと思う。 「確かにゾンビの発生には何かしらの要因があるんだろうが…… わからないものをとりあえず原因にしてしまうのは短絡的だな。」 「少なくとも合理的とは言えないでしょう」 SAKURAが同意的に言う。 俺たちはゾンビ発生の原因についての噂を耳にしたが,それが真実かどうかは分からない。まあ,世界は厳しい現実に立ち向かっていることは確かなのだが。 「俺たちの冒険は続くってことだ。次に向かう場所を決めよう。」 俺たちは次の目的地を探す冒険を続けることにした。