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【銹錆の魔王】ヴェルディグリ

【背景】 数千年前から世界を徘徊し、世界各地で甚大な被害を及ぼしている魔王。 触れたものの全てが腐り、錆び、朽ち果てていくため衣服は身に着けておらず、自身から溢れ出る魔力によって体を覆っている。 元々は小さな農村で生まれ育った普通の娘に過ぎなかったが、生まれる時に別世界の魔王の魂が混ざっていたのが不幸の始まりだった。本来であれば混ざった魔王の魂が僅かであったため影響は軽微で済んでいた筈なのだが、偶然にも混ざっていた魔王の魂が「二種類だった」ことから魂の内側で幾度も反発と融合が繰り返され、二十歳を迎える頃に器である元来の魂が耐えきれずに崩壊、新たな魔王へと変貌してしまった。記憶を無くし、故郷を失くし、家族を亡くし、それでも在らざる過去を求めて彷徨い続けている。その姿は幽鬼かはたまた親とはぐれた幼子か。 【権能:腐蝕】 触れているものであれば何でも錆び付かせ、それら錆び付いたものを取り込むことで生命の維持と魔力の回復を行う。 錆さえあれば無尽蔵に回復できるため強力な力ではあるが、魔王となってこの権能を得て以来、まともな食事はできておらず、肺を満たす空気も腐り、眠ることすらできていない。 【その瞳は錆びる】 ヴェルディグリを見てしまった者はその視界の全てが錆色に染まってしまう。一種の呪いであり、勝手に発動されてしまうためヴェルディグリ自身には制御も解除もできない。 この能力のせいで自身の肌も瞳も髪も錆色に見えてしまうが、元々は白い肌に青い瞳、美しい金髪の持ち主だった。 【その心は銹びる】 錆び付く、という言葉は物理的なもの以外にも用いられる。強力な呪いによって比喩ではなく、技量も経験も錆び付き、いずれ失ってしまう程に。 ヴェルディグリが魔王と成ってしまった際に記憶も感情も錆び付き剥がれ落ちてしまっており、名前さえも両親から授かったものではなくなってしまっている。或いは、過去の自分を求めているが故に生まれた呪いかもしれない。 【その体は鏽びる】 その身に触れたものは物質・非物質を問わずに朽ちてしまう……というのは、些かの語弊がある。 なにせ、ヴェルディグリ自身も朽ち続けているのだから。しかし余りある魔力によって体が再生し続けているため、何も変わっていないように見えるだけに過ぎない。同じように再生能力があるのであれば対抗は可能だろう。……その能力が錆び付かねば、だが。