時空を超えて空を走る汽車「黒鉄の武蔵号」の乗客。 首にかけた細いチェーンの先にはドッグタグのような小さな鉄片状のチケットが括り付けられている。 指先でチケットをそっと触り持ち上げ、その行き先が空白になっていることを確認し、駅に降り立つ。 この時空は、自分がいてもいい場所だろうか。 ここが〝違う〟なら、また チケットをチャージしなければならない。 この時空の誰を倒せばチャージできるのか。 駅から一歩出て空を見上げる。 この時空の空は青いようだ。 ******** 所属すべき時空でない場所には物理的に干渉できず干渉もされないが、時空そのものに触れることで間接的に干渉が可能。 この技術で地面に立ったり椅子に座ったりもできる(ように見える)。 でも、物を細かく動かすことは苦手でドアを開けようとするとすぐに壊してしまう。 (すり抜けちゃえばいいことだが) 飲食もできないので、汽車から配給される携帯全時空対応食糧が必須。 時空によって影響を受ける範囲は異なるようだが、どの時空でも重力の影響はだいたい受けるそうだ。