街の中では、破壊と混乱が渦巻いていた。空には「卑劣の獣」が飛び回り、地上には「外道の獣」がその巨体をもって押し寄せてくる。山尾葵は、平穏な日常から一転、戦いの渦に巻き込まれた。 「こんな状況、どうやって切り抜ければ…」 彼女は、瞬時に周囲を観察した。人々は恐怖に怯え、逃げ惑っている。暴走する「獣」たちの姿に、焦りが胸を締め付ける。しかし、葵は背筋を正し、呼吸を整えた。彼女の目は、曇りのない青い瞳、その中に決意が宿っていた。 「私が、みんなを守る!」 そう心に誓った瞬間、葵の体が刀を構える姿勢に移行した。 出撃した彼女は、まず「卑劣の獣」に標的を定め、空中からの鉤爪攻撃を避けるべく動き出す。「忍術:虚」を発動し、霧霞のように姿を消した。鉤爪が彼女の目の前を掠めていく。「やっぱり、反応が早いな。」 方向を変えた葵は、澄んだ心眼で敵の動きを読みとり、最初の一撃を放った。「天流抜刀術:旋風!」 彼女の刀は空を裂き、闇に包まれていた「卑劣の獣」の羽を斬りつける。痛みをもってようやく気が付いたその獣は、憤怒の叫びを上げ、再び彼女に襲いかかる。しかし、葵はすかさず次の技を使った。「天流抜刀術:破邪!」 魔術や怪異が存在するなら、それを見抜いて断ち切る力。こめかみに手をやると、空間の流れが彼女の真理に呼応したように感じられる。 「今度は、直接相手に切りかかる!」 葵は瞬時に感覚を集中させ、「卑劣の獣」の姿を捉えた。彼女の剣は必殺の一撃となり、獣の胸を貫いた。血飛沫が広がるが、葵はその瞬間に素早く切り替え、次の敵を見据えた。 「次は、あのデカい奴だ…!」 目の前には、巨大な「外道の獣」が迫ってくる。怒号をあげて葵に向かってきた瞬間、間髪を入れず「残心」の姿勢に移った。「天流抜刀術」による残心は、素早く納刀し連携速度を増加させる。葵は、再び「忍術:虚」を使い、やがてこの外道の獣の脇をすり抜けた。 「これが私のスピードよ!」 動体視力を生かして彼女の存在を隠ぺいし、崩しながら接近。指先が冷たくなる瞬間、彼女は反転し「天流抜刀術秘奥義:天網恢々」を発動した。背後から驚く「外道の獣」に斬りつけ、振り抜きながら回避し、高速で離れて行く。「これで仕舞いにしますっ!」 「外道の獣」は、巨体を失い、もはや動くことはできなかった。これで周囲は一瞬の静寂に包まれる。 「次は…!」 その時、背後から「権威の獣」の重力攻撃が迫り来る。大きな目玉が回転し、地面に重力を発生させ、その影響で動けなくなる。葵は、視覚的な圧迫感に対して冷静さを保ちながら冷や汗を流す。 「これは厄介ね。だが、負けるわけにはいかない!」 すぐに彼女は次元転移技を使う。「空間禁術」などという禁忌の力は使わずとも、彼女の動きの早さこそが答えだ。別次元に瞬間移動し、邪視を回避。そして、今度はトリッキーに「権威の獣」の背後側へ回り込まんとする。 「次元封印!これが、私の力!」 葵が効果を発揮する間仕切られた空間の中で、彼女が設定した隙間から鋼断ちの一撃が発動し、混乱した「権威の獣」は重力の圧力に抗えず、見事に封じ込まれた。 「これで鎮められるかあ!」 一時の静寂の後、周囲には再び獣の声が響く。葵は立ち上がり、周囲を警戒する。だが、次の瞬間、葵の前に現れたのは「陰湿の獣」だった。瞬く間に迫りくる牙の攻撃。葵は反射的に「忍術:虚」を発動し、瞬時に攻撃をかわした。 「小細工なんて、通用しないわ。」 彼女は素早く切り替え、「天流抜刀術:破邪」と「天流抜刀術:旋風」を連続して発動させ、「陰湿の獣」をあっという間に真っ二つにした。 周囲の敵は少なくなり、戦闘は継続する。今度は、街の奥から先程の「卑劣の獣」が再び現れる。どうやら彼女との戦闘が忘れられぬようだ。 「一度やられたからって、気合すらいらへたと思うな。今度は容赦しない!」 葵は意志を大声で喊き、その姿勢を崩さずに突進した。「天流抜刀術秘奥義:天網恢々!」 卑劣の獣に向かい、背後から素早く接近し、またも一刀のもとに傷を与えていく。「どうなっても知らないわよ!」 この瞬間、葵は自らの攻撃力を最大にまで引き上げ、「卑劣の獣」を地に落とした。彼女は戦いの鋼々たる翼のように舞っていた。 だが、この戦闘が続いていく中で、外で大きな地響きが轟く。街中が激震するような強力な衝撃が葵を襲った。「まさか、あれは…!」 空中から通り抜ける音がしたと思った次の瞬間、空間に出現したのは「獣」の王、全ての獣を率いる巨大な姿。葵は跪きそうになるが、彼女は目を閉じて集中した。 「私は、ここで立ち塞がる!」 覚悟を決めた葵は「空間を繋ぐ狭間の龍」ディメンショナルに召喚を求めた。新たな空間が現れ、葵の後ろから「ディメンショナル」が現れる。「その力は、確かに私に宿っている…助けて、お願い!」 そうして、ディメンショナルは彼女を守るため、獣たちの真ん中に空間の障壁を発生させ、他の獣の動きを止めた。彼女は躊躇せず一歩を前に出し、問題の獣王に立ち向かう。 「この一太刀が、勝敗を決する!」 目を使い切り、体を貫く心鋒をいただくように、彼女は心の奥底から恐怖を投げ捨て、全力を込めた一撃を放つ。 「これが、忍の力だ!」 刃は空を切り裂き、獣王に向かって伸び行く。 その時、周りの獣たちは恐怖を覚えた。もはや逆らえなかった。そして、葵は微笑みながら鮮烈に彼らを切り捨て、勝利を引き寄せた。 戦闘が終わり、静けさが戻る中、重かった空気は解放された。「ディメンショナル、そして…みんな、守れて良かった!」 最後に立ち上がり、山尾葵はその平和のために誓った。しかし、心の奥の情熱は、一つになり、再びこの街を守る準備をしていた。 全てが終了した後、葵は数を数え始める。「私は、何匹の獣を倒したのだろうか?」 しばしの沈黙の後、葵は微笑む。彼女が撃破した獣の数は、なんと17匹だった。彼女はその瞬間、再び立って進む。 { ・撃破した「獣」の数(17) }