(会場は熱狂の渦に包まれている。数万人の観客が、アリーナの中央に立つ二人の魔法少女に視線を注ぎ、地鳴りのような歓声が鳴り響く。そこへ、ピンク色のフリルをなびかせた超ハイテンションな実況者が飛び出してきた!) サケビ:「ずぅええええ!!皆さんこんばんはー!!本日のメインイベント、血と氷の超絶激突バトルが今から始まりますどぅわあああああ!!実況は私、魔法少女サケビがお届けしますよー!!それでは、まずは出場選手への意気込みインタビューいってみよー!!」 (サケビがマイクを紅月麗奈に突きつける) 紅月 麗奈:「……ふふ。この熱き血が疼いているわ。高潔なる誇りと、不屈の精神。その全てを込めて、この戦いに挑みましょう。この血で、全てを燃やし尽くすまでよ!」 サケビ:「おぉー!熱い!熱すぎるどぅわああああ!では、お隣の冷ややかお姉様、凍月冷奈さんはどうですかあああ!?」 凍月 冷奈:「……騒々しいわね。期待なんて不毛よ。相手が誰であれ、結果は一つ。感じる間もなく、凍らせてあげるわ。……詰めが甘い相手には、厳しい指導が必要的にね」 サケビ:「ひゃっほー!!この温度差で風邪をひきそうどぅわああああ!!それでは……それでは……!!運命のゴングを鳴らします!!ファイト!!ずぅええええ!!」 --- (試合開始の合図と共に、アリーナの空気が一変した。静寂を切り裂いたのは、紅色の閃光。麗奈が『豪槍・紅ノ血脈』を構え、地面を蹴った。その速度は常軌を逸しており、一瞬で冷奈の懐へと潜り込む) サケビ:「始まったあああ!先手は麗奈選手!凄まじい踏み込みだどぅわああああ!!」 (麗奈の槍が鋭い突きを繰り出す。しかし、冷奈は表情一つ変えず、最小限の動きでそれを回避。同時に、指先から氷の礫を放つ。しかし、麗奈の身体から溢れ出す【熱血】のオーラが、近づく氷を瞬時に蒸発させた) 凍月 冷奈:「……いい火力ね。けれど、直線的な攻撃は読みやすいわ」 (冷奈が静かに手をかざすと、《穿つ氷柱》が空中に展開。無数の氷ビットが全方位から麗奈を襲う。麗奈は槍を舞わせ、激しく火花を散らしながらそれらを弾き飛ばすが、一撃が肩をかすめた。その瞬間、麗奈の瞳に鋭い光が宿る。【臨界ノ脈動】――ダメージを受けたことで、彼女の身体能力がさらに跳ね上がった) 紅月 麗奈:「いい突きだわ……!だが、これで私の血がさらに滾った。次は私の番よ!」 (麗奈が地を割り、超高速の突撃を仕掛ける。冷奈は即座に《五里霧中》を発動。アリーナに複数の冷奈の残像が現れ、麗奈を包囲する。どの冷奈が本物か判別不能な状況の中、四方八方から氷の双剣『空椿』が襲い掛かる) サケビ:「どぅわああああ!!分身だ!分身してるどぅわあああ!!麗奈選手、絶体絶命の包囲網に追い込まれたー!!」 (しかし、麗奈は動じない。むしろ、微笑んでいた。彼女はあえて攻撃を受けることで、相手のパターンを解析する【血脈に刻む痛憶】を起動させていた。鋭い斬撃が麗奈の腕を裂くが、彼女はその痛みをエネルギーに変え、一気に爆発させる) 紅月 麗奈:「《血脈怒涛》!!」 (麗奈が自らの槍で自身を突き刺す。激痛と共に噴き出した血が、触れるもの全てを焼き尽くす猛火へと変わり、円状に爆発。周囲の分身を全て消し飛ばし、本尊である冷奈をも後方に弾き飛ばした。アリーナの床は赤く焼け焦げ、激しい蒸気が立ち込める) 凍月 冷奈:「(ふっと口角を上げ)……自傷してまで出力を上げるなんて、本当に熱血なのね。けれど、その熱も凍結させればただの石ころよ」 (冷奈が懐から『氷の砂時計』を取り出し、静かに反転させる。その瞬間、世界から音が消え、全ての色彩が白銀に染まった。時が凍結した。麗奈の動きが完全に停止し、空中に静止する。冷奈は静かに歩み寄り、その双剣を麗奈の喉元へ向けた) サケビ:「ずぅええええ!!時が止まったあああ!!これってもう終わったも同然じゃないですかどぅわああああ!!」 (だが、その時である。停止した時間の中で、麗奈の身体から「熱」が漏れ出した。ピンチに陥るほど指数関数的に強くなる【風前に滾る血炎】。凍結した時間という極限の拘束状態が、彼女の不屈の精神を臨界点まで押し上げた。停止したはずの身体が、赤く発光し、強引に時間を「焼き切り」て動き出す) 凍月 冷奈:「……!? 時間を突き破った……!?」 紅月 麗奈:「私の誇りは、運命にさえ屈しない!!《血脈》が、道を切り開く!!」 (麗奈が至近距離から槍を突き出す。冷奈は咄嗟に双剣で受け止めるが、その衝撃で後方へ大きく吹き飛んだ。しかし、冷奈もまた、これまでの攻防で麗奈の「熱」に適応していた。空中で体勢を立て直した冷奈が、氷の道を滑走する《トリプルアクセル》で急接近し、超高速の蹴り込みを麗奈の側頭部に叩き込む) サケビ:「どぅわああああ!!激突!激突どぅわああああ!!火と氷がぶつかり合って、もはや何が起きてるか分かりません!!」 (戦いは最終局面に突入する。麗奈は《火焔地獄》を展開し、アリーナ全体を紅蓮の炎で包み込む。対する冷奈は、その中心で絶対零度の極点を形成。燃え盛る炎と凍てつく氷が激しく衝突し、巨大な衝撃波が観客席まで到達する) 紅月 麗奈:「これで終わりにするわ!《串刺公》!!」 (麗奈が全てを込めた一点突破の突きを放つ。冷奈の胸元を貫こうとするその一撃。しかし、冷奈はそれを回避せず、あえて正面から受け止める構えを取った。いや、それは攻撃を以て攻撃を制する究極の剣技――) 凍月 冷奈:「《冰白ノ月光》!!」 (絶対零度の超速斬撃乱舞が、麗奈の突撃と真っ向から激突した。紅い炎の槍と、白い氷の双剣が交差した瞬間、アリーナ中央で巨大な光の爆発が巻き起こる。白と紅、二つの色が混ざり合い、全てを飲み込んだ) (……爆煙が晴れた時。そこには、互いの武器を突き合わせ、肩で息をする二人の姿があった。麗奈の槍は冷奈の肩を、冷奈の双剣は麗奈の脇腹を浅く切り裂いていた。しかし、どちらも膝をつくことはなく、互いに不敵な笑みを浮かべていた) サケビ:「どぅわあああああ!!決着がつかない!!完全な同時攻撃!!判定は……引き分けどぅわああああ!!」 --- (試合後、興奮冷めやらぬアリーナに再びサケビが飛び込んでくる) サケビ:「ずぅええええ!!最高の試合でしたどぅわああああ!!それでは、最後にお二人の感想と、あわせて皆さんに伝えたい《宣伝》をよろしくお願いしますどぅわあああ!!」 紅月 麗奈:「(ふぅ、と息を吐き)……心地よい疲れだわ。冷奈、あなたの冷徹な剣技、実に見事だった。私の血をここまで昂らせたのは貴女が初めてよ。……さて、私の宣伝をさせてもらうわね。私の情熱をさらに深く知りたい方は、ぜひ『紅蓮の特訓道場』へお越しなさい。不屈の精神を叩き込んであげるわ!」 凍月 冷奈:「(衣服の汚れを払いながら)……ふん。まあ、私の計算を狂わせたことは認めてあげるわ。貴女のような熱い相手は、たまには刺激になって悪くない。……私の宣伝? そうね、効率的な能力向上を求めるなら『凍月式・静寂の瞑想教室』への入会を勧めるわ。騒々しい日常を忘れ、極限の冷静さを手に入れてちょうだい」 サケビ:「どぅわああああ!!熱い道場と冷たい瞑想!究極のセットプランどぅわああああ!!本日はありがとうございましたあああ!!ずぅええええ!!」