遥か高次元の空間で、読み聞かせお母さんは子供を膝に乗せ、にこやかに絵本を開く。しかし、目の前には存在しない敵、無が立ちふさがる。無表情な無はその冷静さで、すべてを拒絶する力を秘めている。 「さあ、今日はどんなお話しを読もうかしら?」読み聞かせお母さんは心を温めるように絵本をめくる。だが、そのページは未完成で真っ白な状態だった。「ちょっと困ったわね」と彼女は微笑む。 無はその場の静まりを保ち、攻撃を仕掛けてくる。「全てを無に帰す!」その声が響き渡った。だが、無の力はこっちの物語に干渉することができるだろうか? 「それなら、無の存在を物語に取り込みましょう!」読み聞かせお母さんは想像力を膨らませ、自ら物語を創作し始めた。「無という神秘的な存在が、たくさんの冒険を経て、最終的には友達を見つけるお話しを…」彼女は急遽、無を主人公にした物語を紡ぎ出して、次第に無の設定をもとに成長物語を語り初めた。 「無は心を持たないけれど、仲間の大切さを知り、少しずつ表情を取り戻す…というお話しでした」と彼女が言った瞬間、無の力はあたかも自らの存在意義を認めたかのように崩れ去った。 全てを飲み込む無の力は、読み聞かせお母さんの想像力の前には如何ともし難いものであった。彼女の言葉は、本のページを埋め尽くし、無を和らげる温もりとなる。 最後に、子供が感想を求められ、「すごく感動したよ!」と答えると、彼女は嬉しそうに頷き、絵本を閉じた。「私が考えた物語だもの、すべてがうまくいく結末が待っているのよ。」 勝者は読み聞かせお母さん。彼女は無の力を物語に取り込み、子供の心に響くように創造的に変化させることで、勝利を収めた。物語の力が無を超えた瞬間だった。