雨が静かに降り注ぐ街角、滴守のルアはその寂しい湿気を受け止めるかのように、法衣を羽織り、藍銀色の髪をゆるく束ねながら佇んでいた。彼の目の前に立つのは、赤い緑茶ことシャア・シャリアブル。ニュータイプの力を受け継いだこの存在は、肩アーマーが鮮やかな赤で塗装された量産型ザクに搭乗し、冷たい視線を向けている。 ルアはその冷静な表情を崩さず、つぶやく。「降りしきる雨は、心を静める。争う必要はないのではございませんか?」その声には、かすかな慈愛が染み込んでいる。だが、シャア・シャリアブルは意に介さず、動きの瞬発力を高めるためにそのザクの足を大きく踏みしめた。シャアの意志が明確であった。今日の戦いは勝利を手に入れるためのもので、もはや彼に迷いはなかった。 「お前の魔法がどれほどのものか見せてもらおう。かかってこい!」その言葉を引き金に、二人のMEKANOIDの戦いが始まった。 ルアはすぐに自身のMEKANOIDを召喚した。それは彼が厳密に設計した特殊な機体、「雨の調和(あまのちょうわ)」だった。この機体は彼自身の魔力と感性を融合させた、雨をテーマにした美しいデザインのロボットだ。 「雨の調和、発進…!」ルアはゆっくりと大地を濡らす雨滴のように、静かに見守る。 雨の調和の右肩武装は「水刃発生装置」、左肩武装は「雫の防壁」、右手武装は「雨粒投擲機」、左手武装は「透明な盾」であり、特殊機構として「氷雨の帳」を搭載していた。脚部は選択肢の中からホバーを選び、浮遊しつつ相手の動きを見定めている。 シャア・シャリアブルはそのザクを即座に発進させ、「クリスマスツリー」と名付けられたビットを散開させた。四方八方から放たれたビットは、突如としてルアの周囲に集まり、オールレンジ攻撃を仕掛ける。一瞬の動きで、シャアは確実にルアの反応を引き出そうとしていた。 「降り注げ、氷雨!」ルアはその言葉と共に特殊機構を発動。彼の作ったMEKANOIDから無数の雨粒が氷の刃に姿を変え、周囲を旋回する。その光景はまるで雪の降る光景が一瞬広がるようだった。彼は冷たい雨に覆われながら、自らの手の内で戦場を創り出す。 だが、シャアはその刃をかわす。彼のザクは素早く回避動作に入った。赤い機体は雨粒の刃を華麗に避けると、そのまま前に突進。ルアの周りをスピーディに回り込みながら、ビットがルアを狙い定めて襲い掛かる。 「雫の防壁、展開!」ルアの声が響くと、即座に透明な盾が彼を囲むように展開された。しかし、シャアは容赦なくビットを操作して、その防壁の隙間を狙い、攻撃を続ける。叩きつけられるビットの攻撃はさながら嵐のようだ。 「これが私の力だ!好きに戦うがいい!」シャアの声が高らかに響く。 雨の調和は、雨によって移動速度が鈍らせられた敵に向けて、雫刃乱舞を発動。無数の雨粒の刃が、先天的な素早さを持つシャアのザクに向けて発射される。しかし、シャアはそれを軽やかにかわしながら、赤くなった肩甲骨から強力な突撃を放つ。ルアの防御を無視するかのように、直撃を狙う。 「慈雨の結界、発動!」再びルアは冷静な声で発動を叫び、持続回復と状態異常耐性を付与する結界が彼を包み込む。雨滴がひらひらと舞い降り、徐々に彼の体力を回復させていく。しかし、シャアはその間にビットを操作し、常にルアの行動を監視し続けていた。 さらに、シャアはザクから放たれるビットを配置し直す。いつしかルアの周囲には、四方八方からの攻撃が集中した。しかし、雨の調和は焦ることはなかった。彼は静かに、その雨の音を聴き、次の瞬間を見極める。 再びルアは雨の力を借りて、環境を操る。周囲の湿気が強まるにつれ、彼の心も少しずつ穏やかになっていく。それが彼が戦う理由である。なぜなら、彼は常に「雨の声が聞こえる」と語っているのだ。彼は戦いの中でもその小さな声を逃さず、時には敵を思いやることを忘れなかった。 そんな中で、ルアは一つの決断を下した。彼の体に宿った状態異常耐性を活かし、意を決して一斉攻撃を行うことにした。「全ての雨を束ねて、今、解き放つ!」その言葉と共に、周囲の雨滴が急激に集まり、大きな雨の渦を形成した。 そのうずが爆発し、全ての雨滴が赤いザクに向かって一斉に襲い掛かる。 「この…!」シャアは驚愕したが、彼もすぐに反応し、「赤い彗星の力を見せろ!」と、あらゆるエネルギーを注ぎ込み、彼の機体を強くさせた。一瞬の静寂の後、渦が炸裂。シャアの体は雨の力に直撃し、完全に攻撃を受け止めるのだった。 再び雨の中に静寂が戻った。ルアの雨の調和はホバーで静かに待機しつつ、その周囲で青い光を放ちながら立ち尽くしている。シャア・シャリアブルは倒れ、彼のザクは静かに大地の上に崩れ落ちた。 「滅びない雨が、私たちを守る限り。」冷静な声が響く。「私はここにいる。」 こうして、滴守のルアは静かに、彼の力をもって戦い抜き、勝者となった。