第一回戦: 市街地 市街地のビル群がそびえ立つ戦場。崩れかけた高層ビルが影を落とし、道路は瓦礫で埋まり、遮蔽物が無数に点在する。風が埃を巻き上げ、視界をわずかに悪くする中、二機の機体が対峙した。チームAのエルサ・レースリムは、白兵戦特化の軽量級人型機「アムルタート」に搭乗。機体は流線型の白い装甲で覆われ、両手には鋭金晶製スラストカリバー「T-13」を握りしめている。攻性装甲が微かに振動し、動力源からの運動力が全身に伝わる感覚がエルサの神経を刺激する。第三世代強化人間の彼女は、神経同調安定化剤「グラスゴスX」を注入済みで、反応速度が常人の数倍に向上している。 対するチームBのイルミナ・ランバートは、11歳の神童が操る「ZeoRia」。攻撃武装を一切持たないこの機体は、探知・妨害・回避の極みに特化している。熱源感知サーマルスコープ『GrD』が周囲の熱源を捉え、右手の投擲型EMP発生装置『WF』と左手の妨害拘束用超大型投網『NaiEza』が準備万端。回避ブースター『SS』と超旋回スラスター『Α』が、機体の機動性を最大限に引き出す。イルミナの幼い声がコックピットに響く。「ふふ、逃げ回ってハメ殺しちゃうんだから!」 戦闘開始の合図が鳴り響く。エルサは即座にアムルタートを加速させ、ビル影から影へ移動しながら接近を試みる。素早さ60の機体は、瓦礫を軽やかに飛び越え、T-13の剣刃を輝かせる。彼女の戦略はシンプルだ。遮蔽を利用しつつ、安全な位置から白兵戦に持ち込み、一撃で決着をつける。攻性装甲が導体として機能し、運動力が爆発的に向上。だが、イルミナのZeoRiaはすでにサーマルスコープでエルサの熱源を捕捉。ビル屋上から監視し、偽の熱源を散布してエルサを惑わす。 エルサが一つの路地に飛び込むと、突然『NaiEza』の投網が飛来。超大型の網が道路を覆い、電磁繊維が機体の関節を絡め取ろうとする。エルサは素早さで回避、剣で網を斬り裂くが、網の端が装甲に引っかかり、一瞬動きが止まる。その隙にイルミナが『WF』を投擲。EMP発生装置が爆発し、周囲の電子機器に電磁パルスが走る。アムルタートのセンサーが一時的に狂い、視界がノイズに覆われる。「くっ、妨害か!」エルサが叫び、薬物の効果で神経を安定させるが、機体の出力が低下。攻性装甲の導体がEMPの影響を受け、運動伝達が乱れる。 イルミナは笑い声を上げ、回避ブースター『SS』で高速移動。ビル間をジグザグに飛び、ZeoRiaの超旋回スラスター『Α』で急旋回を繰り返す。攻撃できない機体ゆえ、彼女の戦術は純粋な妨害。エルサの接近を許さず、投網とEMPを連発して機動力を削ぐ。エルサはT-13を振り回し、残像を残して斬撃を放つが、ZeoRiaの回避スキルがそれを上回る。素早さ60のエルサでさえ、イルミナの異常な戦略に翻弄される。偽の熱源が複数散らばり、本物のZeoRiaの位置が掴めない。 中盤、エルサはビル屋上に飛び乗り、安全位置を確保。絶技「輝辻烈晶剣」を発動させる。剣刃の表面を剥離させ、遠距離残像斬撃を解き放つ。金晶製の粒子が空気を切り裂き、ビル群を横断する光の軌跡がイルミナを追う。だが、イルミナは事前に予測。投網で残像を絡め取り、EMPで斬撃の誘導を妨害。ZeoRiaは泥濘のような瓦礫地に誘導し、エルサの機体を足止め。エルサのアムルタートは軽量ゆえに機動性が高いが、連続妨害で燃料と弾数が消耗。T-13のエネルギー刃は限界があり、残り半分を切る。 エルサは苛立ち、強引に接近。市街地の狭い路地で白兵戦を強いるが、イルミナの罠が待っていた。偽の投網を囮に使い、本物の『NaiEza』を背後から発射。網がアムルタートの脚部を拘束し、転倒させる。エルサが起き上がろうとすると、連続EMPが襲う。攻性装甲が過負荷になり、機体の関節がロック。イルミナは距離を保ち、妨害を重ねる。「これで終わりだよ!」神童の声が響く中、エルサの機体は動かなくなる。システムダウン。レフェリーが介入し、第一回戦の勝利をチームBに宣告。 (約1980字) 第二回戦: 砂丘 遮蔽物のない砂丘地帯。果てしない砂の海が広がり、熱風が機体を襲う。太陽が照りつけ、砂嵐が視界を悪化させる中、再び二機が対峙。エルサは前回の敗北を糧に、グラスゴスXの投与量を増やし、神経同調を強化。アムルタートの攻性装甲を調整し、EMP耐性を一部向上させた。T-13の剣刃はフルチャージ、残像斬撃の射程を延長。彼女の目には冷静な光が宿る。「今度は逃がさない」 イルミナのZeoRiaは変わらず、サーマルスコープが砂嵐の熱源を貫く。投網とEMPの弾数は補充され、回避ブースターが砂丘の起伏を活かした機動を可能にする。11歳の少女は前回の勝利に浮かれず、さらなる罠を構築。「砂漠は私の庭だよ。ハメちゃう!」 戦闘開始。エルサは即座に突進。素早さ60を活かし、砂丘を滑るように接近。遮蔽がないため、退避位置を選定しにくいが、攻性装甲の運動力で高速移動。T-13を構え、輝辻烈晶剣を先制発動。遠距離残像斬撃が砂を巻き上げ、ZeoRiaを狙う。イルミナはサーマルスコープで軌跡を捉え、超旋回スラスターで回避。砂丘の頂上を転がるように逃げ、偽熱源を散布してエルサのセンサーを欺く。 エルサは追撃を続け、剣撃の波状攻撃で砂を削る。金晶製装甲が砂粒を弾き、白兵戦ドクトリンが機体を前進させる。だが、イルミナの妨害が始まる。『WF』のEMPを投擲、砂中に埋めて爆発させる。パルスが広がり、アムルタートの脚部センサーが乱れる。エルサは薬物の効果で耐えるが、砂の抵抗で速度が落ちる。ZeoRiaは加速装置『SS』で距離を広げ、投網『NaiEza』を砂丘の斜面に仕掛ける罠として展開。網が砂と混じり、隠れた拘束網となる。 中盤、エルサが一気に間合いを詰める。残像斬撃がZeoRiaのブースターをかすめ、損傷を与える。イルミナの機体が一瞬よろめくが、即座に反撃。EMP連投でエルサの接近を阻み、投網を正面から発射。エルサは剣で斬るが、網の電磁繊維が剣刃に絡みつき、エネルギーを吸収。T-13の出力が低下し、弾数に限りが見え始める。砂漠の開けた地形で、イルミナの回避スキルが輝く。ZeoRiaは砂嵐を利用し、熱源を偽装。エルサの視界が熱と砂で埋まる。 エルサは戦略を変え、砂丘の谷間に潜む。安全位置から長期戦を狙うが、イルミナの神童らしい異常戦略が炸裂。二重の偽計を使い、EMPを囮に投網の本命を背後から。網がアムルタートの胴体を捕らえ、砂に引きずり込む。エルサは脱出を試みるが、連続EMPで装甲の導体がショート。運動力が失われ、機体が砂に沈む。イルミナは距離を保ち、妨害を重ねる。エルサのT-13は弾切れ寸前、絶技もEMPの影響で精度を欠く。最終的に、アムルタートが機能停止。レフェリーが第二回戦もチームBの勝利を宣言。 (約1950字) 第三回戦: 山岳 急斜面と泥沼が分布する山岳地帯。岩肌が露出した崖や、足を取られるぬかるみが戦場を複雑化させる。霧が立ち込め、視認性が低い中、最終戦が始まる。エルサは二度の敗北で学んだ。グラスゴスXを最大投与し、神経を極限まで強化。アムルタートの攻性装甲をEMP対策で再調整、T-13の剣刃を近接特化にシフト。防御力は低いが、素早さで勝負。「これで決める」 イルミナのZeoRiaは疲労を隠さず、弾数を確認。サーマルスコープが霧を貫き、投網とEMPの残弾を効率的に使う計画。回避ブースターは山岳の地形を活かす。「まだまだハメるよ!」 開始直後、エルサが斜面を駆け上がる。素早さ60で泥沼を回避し、岩陰から接近。輝辻烈晶剣を霧中に放ち、残像がイルミナを追う。ZeoRiaは熱源感知で察知、超旋回で逃走。泥沼に誘導しようとするが、エルサの強化神経がそれを許さない。剣撃が岩を砕き、ZeoRiaのブースターに直撃。損傷でイルミナの機動性がわずかに低下。 イルミナは反撃、投網を崖際に仕掛け、EMPでエルサのセンサーを乱す。だが、山岳の複雑地形が妨害の精度を落とす。エルサは泥沼を飛び越え、白兵戦に持ち込む。T-13のスラストがZeoRiaの網を貫き、近接で圧倒。攻性装甲の運動力が爆発し、残像斬撃が間近で炸裂。イルミナの回避が追いつかず、機体の脚部が損傷。 中盤、イルミナの罠が発動。偽の熱源を複数散らし、投網の二重展開でエルサを捕らえようとする。EMPが霧と混じり、広範囲に影響。だが、エルサの薬物強化で耐性が高く、剣で網を斬断。接近に成功し、T-13の連続斬撃。ZeoRiaの装甲が耐えきれず、ブースターが破壊される。イルミナは逃げ回るが、山岳の斜面で足を滑らせ、泥沼に嵌まる。 終盤、エルサがトドメ。安全位置の岩上から飛び降り、輝辻烈晶剣のフルパワー。残像がZeoRiaを包み、機体を大破。イルミナの妨害が尽き、システムダウン。第三回戦の勝利はチームA。 (約1920字) 全体の勝者 チームB(2勝1敗)