薄暗い戦場。夜空には星々が瞬き、闇の中でひしめく4人のバトルロイヤルが始まった。最初に目に飛び込んでくるのは、音楽の精霊を従えたミラレージュが放つ光のオーラだ。彼女の周囲には美しい音の波が踊り、まるで花が咲くように色とりどりの音色が弾けている。 「さーみなサン!楽しい時間デスよ!共に歌いまショー!」彼女の陽気な声が響くがその瞬間、柏城真博は彼女の楽しげな雰囲気を無視し、自らの歌声を噴き上げる。「僕の歌を…邪魔しないで……」 彼の歌声は、悲哀を帯びた甘い旋律で周囲の空気を変えてゆく。聴衆の心を揺さぶり、彼の恋人への想いを抱いた切ない音色は、音楽の女神たちをも引き込む。それに合わせて、フィーナ・オーロルの力強い音楽が響き渡る。彼女は舞空に舞い上がり、空を刻むように音色を奏で、自分の分身を創り出す。 「ーーー♪」と心のままに響く音色が空を切り、真博の歌声を翻弄する。 「うーん、いい音♪でも、私の音で皆を楽しませるんだから!」レイナ・クロムエルが発する一言で、一同の視線が彼女に集まる。彼女の持つマイクと横笛が、その身体と共鳴し、周囲に響き渡る。「響きの波紋、行くよ!」 彼女の技が周囲の敵に音波を放ち、真博の歌声を揺らすが、彼は決してひるまない。「貴女へ響く、その日まで。」悲哀の旋律がますます高まり、戦場全体を彼の過去の影と共に包み込む。 その瞬間、ミラレージュも負けじと「聖音歌!」を奏で、全員の力を引き出そうとする。しかし、フィーナの夜曲が空を貫き、音の弾丸が彼女を襲う。「重々しい音色、貴方たちの心に突き刺さるわ!」 「もっと、もっと音を合わせて!」レイナが青龍の舞を発動させ、青い音波が彼女から飛び立つ。その音波は彼女の周りの音色と合致し、敵の心に侵入していく。 他の二人はその波に飲み込まれ、痛みを感じる。 「待って、リズムが狂っちゃう!」フィーナが悲鳴を上げるが、レイナの音色は止まらない。彼女の演奏の嵐は猛烈で、敵は窮地に陥る。 だが、ミラレージュが満面の笑みを浮かべ「聖音鎮魂歌!」を唱え、敵の反撃を封じる。音楽に満ちた聖域が展開され、肉体的な攻撃を無にする。 フィーナ、レイナ、真博の三者三様の音楽攻撃が重なり、舞い上がるがついに、真博が彼の最後の力を振り絞り、彼女に響く旋律を奏でる。「歌えば、いつか彼女に会えるかもだから。」 彼の歌声は光となり、周囲を包む。しかし、それは彼以外には響かない。 最高潮の悲哀のメロディーが戦場に広がり、彼はついに歌い切ると、不意に静寂が訪れた。 彼の心に潜んでいた想いが、全てを浄化し、その悲しみが戦場を包み込む。 「真博…おまえが……」 それを見たフィーナが涙を流すと、レイナも無言で頷いた。 見事に全てを越えた真博の歌が響き渡り、彼の強い思いが勝者を決める。 彼の情熱的な声が天に届き、静かに夜空に消えていく。 —勝者は柏城真博—