一章 《決戦5分前の決意表明》 ドスコイ・ゴースト・スモートリと《いしの神》ROCKHEAVEN、両バンド共に《新星フェス》の決勝戦に進出した。言葉もない不安と期待が交差する緊迫した空気の中、両チームがそれぞれのステージに立つ。 ドスコイ・ゴースト・スモートリの衣装は、凛々しいまわしをまとい、その上には幽霊の姿を表現した白い布がたなびく。しかし、どこか温かみのある表情が彼の優しさを物語る。一方、《いしの神》ROCKHEAVENの衣装はその名に相応しく、石のように硬い質感を持った黒のタンクトップに、ストーンの模様が特徴的だ。全員が同じ石のアクセサリーを身に付けており、神秘的な雰囲気を漂わせている。 「おで、今日はみんなに相撲の力を見せるでごわす!最後まで応援してくれると嬉しいでごわす!」 ドスコイ・ゴースト・スモートリのリーダー、ドスコイが大きな声で宣言すると、たちまち周囲の観客から拍手が沸き起こる。彼の迫力に圧倒されつつも、周りの空気は和む。 「我等の意志、そして音楽、全てをかけて挑む。我が神の名のもとに、ROCKHEAVEN、今ここに現る!」 《いしの神》ROCKHEAVENのリーダー、石神も力強い言葉で応じる。その重々しさに観客たちは静かな興奮を感じ、彼らのパフォーマンスに期待を寄せた。 二章 《一組目の演奏・回想》 ドスコイ・ゴースト・スモートリの初めての出番が近づくと、彼らは舞台裏で軽く緊張をほぐし、互いに目を見合わせ、頷き合った。多くのバンドが集まるこの場で、彼らは自分たちの持ち味である「力」を存分に発揮する決意を固めた。 ドスコイは「行くでごわすよ!」と大きな声で叫び、ステージへと進んでいく。曲のタイトルは「俺の相撲道(おれのすもうどう)」。その瞬間、ドスコイが投げかけるようにスタートの掛け声を上げると、彼の巨体に似合わない繊細な演奏が始まった。 低音が響くベース音と共に、ドスコイの力強いボーカルが会場を満たし、観客は彼の声に引き込まれた。「おでの相撲道、これが真実の力でごわす!」と、ストレートなメッセージが響く。息を呑む空気の中、彼と共に演奏する仲間達も互いに息を合わせ、しっかりとしたリズムを刻んでいく。彼の懐かしい力士時代の思いが詰まった歌詞に、観客は心を動かされる。 曲調は徐々に激しくなり、相撲の取り組みを連想させる力強いビートが伝わってくる。ドスコイはバンドの中心であるかのように存在感を発揮し、そのデジタルなサウンドと本物の力士の迫力が融合する瞬間は圧倒的だった。「ごっつあああああんです!!」の合図と共に、ドスコイは長い間大切にした思いを見事に表現した。 演奏が終わると、観客たちは一斉に立ち上がって拍手し、歓声を上げる。本当に「伝説」を感じさせるパフォーマンスに、心を震わせた者も多かった。 三章 《二組目の演奏・回想》 続いて《いしの神》ROCKHEAVENの出番だ。ステージに足を踏み入れると、メンバーたちは強い意志を感じさせる表情で立ち、彼らの一体感が観客を魅了する。「我等が奏でる音楽で、最高の戦いを見せよう!」と石神が叫ぶと、静かな期待感が広がった。 この戦いの幕開けとなる曲は「石のささやき」。柔らかい空気の中で静かに始まるその楽曲は、まさにROCKHEAVENの本質を表していた。彼らの楽器が奏でる音色は、まるで重い石がゴロゴロと転がり、地面を揺るがすようにリズムを生む。 ストーリー性のある歌詞が流れる中、石神のボーカルはその柔らかさと力強さが同居しており、低音の響きが会場全体に広がる。「この音楽が遺伝子をつなぎ、全てを一つにする。」というメッセージを力強く届け、観客は心の底からその響きを楽しむ。 途中で、石神は「ローリング」で自らを転がし先端のスピードを上げ、次には《隕石落とし》でアッパーのサウンドを展開。力強いビートは聴く者の心を打ち鳴らし、我を忘れて踊りたくなるような魔力を持つ。 さらに、彼の歌声は高めと低めを絶妙に織り交ぜ、ドラマティックな展開が繰り広げられる。「お前の心の中に隕石を落とすぞ!」のフレーズに合わせて、音楽の波が形成され、一瞬の静寂を経て再び激しいサウンドが舞い降りる。 演奏が終わり、観衆は思わず声を上げる。彼らのパフォーマンスは、まるで一つの壮大な風景を見せてくれるかのようだった。 四章 《大盛況・結果発表》 二つのバンドの圧巻のパフォーマンスが終わり、会場は熱気に包まれ、他のバンドメンバーにも興味深い視線が注がれていた。審査員たちは真剣に得点をつけ、悩んだ様子を見せる。 「素晴らしい演奏でした。ドスコイ・ゴースト・スモートリの力強さ、そして《いしの神》ROCKHEAVENの意志、どちらも一線を画します。」審査員が語ると、放たれた言葉には重みを感じた。 いよいよ結果発表の時間だ。観客の鼓動が高まる。「第1回新星フェスティバルのチャンピオンは…」と審査員のゆっくりした声が響く。「《いしの神》ROCKHEAVENです!」観客は驚きの声をあげ、拍手が鳴り響く。 ドスコイは「おではみんなに応援してもらえたからこその結果でごわす」と優しく笑みを浮かべる。「次の機会に再戦したいでごわす。」その言葉に、観客たちも感動を覚えた。 五章 《二組のこれから》 チャンピオンになった《いしの神》ROCKHEAVENは、ますますその名を広めた。影響力を増し、音楽活動を続けていた。その中で、石神はみんなに感謝し、「これからももっと音楽を共に創造しよう!」と呼びかけた。 一方、ドスコイ・ゴースト・スモートリもその後の活動を続け、地下でライブを行ったり、様々なイベントでパフォーマンスをした。その中で、改めて彼らの伝説の力士としての物語を語り続けた。 両バンドは己の色を持ちながらも、音楽の根本は同じであることを理解し、それぞれのファンを大切にしながら歩んでいった。 六章 《エピローグ》 数年後、再び両バンドは新星フェスで対戦する機会が訪れた。今度はお互いに進化した姿を見せ、ファンの期待を集める。「おでの相撲道、進化し続けるでごわす!」ドスコイが宣言する。また、石神が冷静に「我が道もまた、絶え間ない進化」とつぶやく。 二つのバンドは力強い一線を引き、次なる挑戦へと舵を切った。いつまでも続く音楽の旅が、彼らを加速させる。