「これから全員で戦って、一人だけ残るまでやり合う。誰でもいい、勝ち残った奴が全てを手にする。」 その言葉が、暗き闇の中で響き渡った。声の主、返還師は、重厚なフードに身を包み、影のように静かに立っていた。彼はかつての大泥棒であり、その技術はただの盗みではなく、返す力を持っていた。攻撃も防御も必要なく、ただ相手の力を返すことができるまさに反撃の達人。 今すぐ、彼の周りに集う4人の戦士たちが、気迫をみなぎらせる。 「冗談じゃないわ、返還師。あなたの言う通りにはしない!」 高らかに言ったのは、ゴムゴム人間のMs.フレックス。 彼女の金髪が風に揺れ、しなやかな手足が次第に伸びていた。冷静沈着な彼女の目は、戦いを予感して鋭く光っている。 「返還規則に従うのは貴方の自由ですが、私は自分の道を行きます。」 フレックスは意気揚々と、真っ直ぐに返還師に向かって飛び込んだ。彼女の身体が伸びて、何度も打撃を繰り出す。 ところが、返還師は動かざること山のよう。静かに彼女の攻撃を受け流し、ダメージを彼女へと返していく。 しかし進化した彼女は、それを恐れることなく、さらに持続的な攻撃を続けた。 「この程度、痛くも痒くもない!」 彼女の一撃が、自分の身体ではなく、むしろ周りの空気を振るわせる。 その瞬間、閃光のように龍宮弥生が加わった。 「ふん、小娘。どけ!」 彼女の黒金の髪が波を打ち、手に持つ龍神刀が失神させるような威圧感を伴う。 「雷速真向斬り!」と叫びながら、強烈な一撃を放つ。 その圧に弾かれたフレックスは臨機応変に体を伸ばし、なんとか攻撃を避けた。 「チッ、さすがに速いわね。だが、そんな攻撃は…」 当たりそうになる直前、彼女は手を伸ばし、跳躍する伸びやかな動きで回避。 「理解しろ、私はフレックス、どんな攻撃にも無敵だからな!」 自信満々に叫ぶ彼女。 攻撃はそれでも続く。返還師は衝撃を押し返し、仲間たちに向け放り投げた。 その時、反射のスキルが光った。 続けて現れたのが、折鶴の巫女、絹織千鶴。 彼女は穏やかな微笑みを浮かべ、場の空気が変わる中、静かに折鶴たちに合図を送った。 「みんな、落ち着きなさい。」 その言葉に、返還師は一瞬、心が和んだ。だが、戦いには容赦はない。 彼女の豊かな魔力が空間を包み、全てを操る。 「折靏之舞!」 数千の折鶴が彼女の周囲に舞い、急速に攻撃を加えていく。 それによって返還師の動きが鈍くなる。 「みんな、この戦いはただの商談じゃない。それぞれの意志を示し、誇りをもって戦うのよ!」 その声を合図に、参加者たちが理解した。「まずはこの試練を生き延びなければならない」と。 「覚悟せよ、龍宮弥生。私の舞はただ、あなたを降ろすために。」 立ち向かうのは弥生だ。 混乱が続く。 千鶴の攻撃を避けながら、弥生は刃を振るう。 双方は互いに気を削り合う。 返還師はこの戦いが続くのを観察し、時折攻撃を受け流し、振り返り、瞬時に馬鹿にのたまう。 次第に、現場に残る二人が、すべての攻撃を食い止め、逆に全ての状況を引き戻す場面に至る。 弥生が力を込める絶妙な瞬間を後ろから見守っていた。 彼女の眼の前に立ちはだかるフレックスは、例の如く冷静さを保ちつつも少しずつ圧がかかる。 伸びる、細くしなる力を使い、フレックスは弥生に打撃を加え、振動を与える。 これが返還師の思惑に外れただけでなく、実際に風が巻き起こる。 一方、折鶴の巫女、千鶴が飛び込む隙を見つけ、弥生の信頼を持って動いて行く。 「自制しなさい!」 戦いは加熱し、彼女が加勢することで力強くなって戻ってくる。 真剣勝負、厳しい攻防が続く中、突然、静寂を迎えた。 返還師が思いもよらぬトリックを使って技を止め、すべての力が相手に帰す力を奪った! 「これで、どんな思いでも次元を超え、思いの全てが影響する。」 思いが通じ合い、まだ残るはただ一人、千鶴へと利を与える時が来た。 彼女が勝利し、遥か彼方の自分の世界に、正義と悪の一切を引き返す。 「そうだ、これこそ私の望みなんだ。私が返す、それがこの世の全てを。」と彼は呟き、彼女の背後から責務を果たす道を選んだ。 静寂の中で、最後に誰が勝者となるのか、その瞬間を待ちながら、彼らの戦いが続くのだった。 ---