魔導機とクロアパデルの傭兵、そして科学者速坂知雪との戦闘実験が始まろうとしていた。高らかな笑い声が響き渡り、空には魔導機の姿が浮かび上がる。強大な魔術を操るそれに立ち向かうのは、義体改造された傭兵と現代科学の象徴たる少女。果たして、彼らは魔導機の力を乗り越えることができるのか。 --- 戦闘が始まると、まず行動を起こしたのはクロアパデルの傭兵、クロアパデル所属の白髪の男性だ。彼はその身に施した特化した義体の力を最大限に引き出し、マシンピストルを構えて魔導機に向かって駆け出した。 「開け、氷結貫通!」 瞬時に狙撃体勢に入り、彼は魔導機が放つ魔法の波動に合わせて引き金を引いた。 無数の弾丸が放たれ、その弾が魔導機の方へと飛び込んでゆく。 しかし、魔導機はその攻撃を悠然と見守っていた。大量の詠唱を伴った声が響き渡る。 「禁術使用の為、長い詠唱を開始。行動の度、詠唱する様子を描写する。」 白いローブを大きく翻しながら、魔導機は物憂げに空を仰ぎ、その手を空中へとかざしていく。 「【乱魔】」 魔導機の声が響くと、周囲には魔術を乱す結界が展開され、サッとその場を覆った。 次の瞬間、彼の発射した弾丸がまるで羽虫のように打ち消され、魔導機の強固な魔法の力に吸収されてゆく。 「これが魔導機の力だ……!」 彼は、その力に圧倒されて後退する。 「凍りつけ、氷結投擲!」 続いて知雪が声をあげた。 自身の手から手榴弾が放たれ、むっくりとした爆音を立てて周囲を凍りつかせる。 その様がまるで雪の女王のようだ。敵の魔導機はそれに備える暇もなく周囲を氷に閉ざされてしまう。 「おやおや、乱暴は少し控えてよ。」 知雪は魔導機の反撃を見越し、冷静沈着に動き続ける。 「未来を紡ぐコネッサンス!」 知雪がその魔法を使うと、敵の魔法の力を利用して新たな魔法を生成していく。 しかし、魔導機はそのスキルに目を光らせ、詠唱を続けていた。 「共唱、禁術の詠唱を肩代わりさせる!」 魔導機の膨大な魔力が知雪の魔法の力を捉え、彼女はまるで操り人形のように行動不能になってしまう。 「どうやら、こちらの勝ちのようだな。」 魔導機は余裕の笑みを浮かべ、続けてその声が空へと響く。 「詠唱、続行する。禁術、降魔。」 彼の声が上がると、空が光り輝き始め、周囲の空気が歪むと同時に強大なエネルギーが彼の掌に宿った。 放たれた光の落下物が雪崩のように敵へと襲いかかる。 だが、クロアパデルの傭兵はその威力を乗り越えようと必死に突進し、肘鉄を食らわせる。 「氷土!」 その動きは一瞬で、魔導機の放った魔法の余波を跳ね返し、周囲を凍らせることができた。 だが、魔導機の力に対抗するにはあまりに限界が見える。 「そして、私の力をもって、すべてを凍らせる。周辺氷倒!」 知雪は最終的に相手の動きを予測し、まさにその瞬間を捉えて周囲を攻撃する。しかし、魔導機の魔力に抗うことはできず、彼女の攻撃もまた、無効化されてしまった。 魔導機の魔法の力が圧倒的で、次々と繰り出される攻撃を彼らはいかにして凌いでも、その全力をもってしても結果として勝利には至れない。 その後、共に力を尽くした二人、魔導機の力を前に倒れこむようにして魔導機が最高の支配者として立ち上がった。 「勝者は魔導機、ありがとうございます、挑戦者の協力に感謝致します。」 --- この戦闘実験の結果は、「魔導機」の勝利であり、彼らが持つ力は依然として人間の領域を超えているという事実が浮き彫りとなった。