大聖堂、かつては人々の信仰と希望の象徴であった場所は、今や闇と光、善と悪の戦いの舞台となっていた。天井には美しいステンドグラスが残り、その隙間から射し込む光がその場の緊迫感を一層引き立てていた。大聖堂の中心には、クリスタと二人の強力な敵、暗黒の魔王シャドウと高校生の椿が立ち尽くしていた。 「この場所には聖なる力が満ちている。しかし、あなた達の存在がそれを汚している。」クリスタは冷静に視線を二人に向け、淡い微笑みを浮かべた。彼の持つ長剣「懺悔」は、その逆十字を模した刃を日光の中で輝かせている。 一方、シャドウは全身を漆黒の闇に包まれており、その存在は宇宙の深淵から来たような圧倒的な威圧感を放っていた。彼は「不滅」と称される存在であり、自身に触れたものすべてを呑み込む「黒キカラダ」を持ち、その能力は圧倒的であった。 椿は無表情で、戦う気のない高校生の姿をしているが、内に秘めた力は想像を絶するものだった。「俺は、できれば戦いたくないんだ。面倒くさいから。」その言葉には余裕が感じられ、目の前に立つ二人を一瞥するだけだった。 戦闘が開始されると、シャドウが先手を打った。闇を操る力を使って、一瞬で消え去り、周囲の闇を持ち去る。次の瞬間、椿を狙う「漆黒弾」が発射され、その場の光が削がれた。だが、椿は何もせずにそれを見つめていた。 「おっと、もう一度だ。」直後、黒い球体が勢いを増して椿に迫ってきた。しかし、彼の周囲には一種の静止した空間が広がり、速度を失った漆黒の弾は、まるで時間の壁にぶつかってしまったかのように、その進行を止めた。 クリスタはその動きを見逃さなかった。「まだかすかに効き目がある。だが、今はその隙を突かねば!」彼は懺悔を高く掲げ、一気に振り下ろした。「斬罪!」 剣が光をまとい、敵に向けて放たれる瞬間、十三回の斬撃が立て続けに放たれ、シャドウに直撃した。しかし、彼の肉体に傷一つつけることはできなかった。 「無駄だ。俺は不滅だからな。」彼の声は静かだったが、明らかにその中に力強い響きを持っていた。 クリスタは一瞬息をのんだ後、聖なる力を振り絞り、「聖磔」を発動させた。彼の周囲に光の十字架が形成され、シャドウと椿を束縛しようとしたが、椿は「気絶能力」を発動させ、周囲の時間の流れを無視して、その攻撃を回避した。 「面倒を避けさせてもらう。」椿は静かな声で呟き、シャドウに向き直った。その瞬間、彼の能力が発動した。シャドウの動きが急に止まった。 「何だ?これは…」彼は驚愕し、自身の状態を確認するが、すぐに彼の目は含まれる闇の中で赤く光り、彼の力を求めていた。「相手の能力を支配するということか…だが、俺は暗闇そのものだ、消えることはない!」 その瞬間、シャドウは「潜闇」を用いて、クリスタと椿の視界から消え去った。 今まで見せなかった力を秘めた彼の存在は、そのまま大聖堂の壁に吸い込まれていく。 「私を蔑ろにするな。」クリスタの口調は呆れたものだった。そして、彼はその手を高く挙げ、一閃を放った。「聖天!」 眩い光が大聖堂を包み、シャドウの力を削ぎ落とす。その影響を受けて、シャドウは一瞬意識が途切れたような感覚を覚えた。 「さあ、終わらせる。」クリスタは懺悔を構え、その姿勢を整える。 シャドウは心のどこかで自らの存在を問い直していた。自身が支配する闇が、今や光にかき消されるのか。 その時、椿が動いた。彼は黒い刃を持つシャドウに向かい、「俺は気絶させる。ただし、戦う気がないならもう一度選べ。」 椿の提出する選択肢に、シャドウは無力感に苛まれた。「俺が黒き者でなくなるだと。それでも構わない。力を得れば、何度でも蘇るからな…」 その言葉を聞いたクリスタは、真剣な目でシャドウを見返した。「それが貴様の愚かさだ。封印することができない者の存在は必ず滅びる。」 そして、クリスタは「聖纏」を発動した。彼の全身が聖なる魔力に包まれ、その力は何倍にも増して放たれた。 「これが最後だ、シャドウ。」彼は沸き立つ力を感じ、その動きに伴った美しい舞を見せた。「最後の一撃、『聖断』!」 光が撒き散り、空間を切り裂きながらシャドウに向かっていく。その瞬間、彼の心に再び暗闇の記憶が甦った。 「いいだろう。俺は不滅だということを思い知らせてやる!」彼は黒刀「暗闇」を振り上げ、待ち受けた。瞬間、聖なる力が闇を超えて彼を貫き、彼の存在が消え去るのを目撃した。 シャドウは絶望の表情を浮かべ描いた。だが、そのまま無へと吸い込まれ、彼は永遠に消失した。 大聖堂に再び静寂が訪れ、光と闇の戦いは終わった。椿は肩の力を抜き、クリスタに向けた。「結局、いつも通りだ。」 クリスタは静かに頷いた。「それが運命なのかもしれないな。」 こうして、大聖堂における戦いはクリスタの勝利で幕を閉じた。 勝敗: クリスタの勝利