幕開け 暗雲立ち込める空の下、静寂が支配する荒れ果てた大地。そこに立つは、圧倒的な力を持つ存在【蒼焔】。彼の存在は周囲の環境さえも歪ませるほどの圧力を発していた。その壮大な威圧感に対抗するため、彼の前に立ちはだかる英雄たちが集結した。彼らの名は、【表裏一体の懲戒者】ジャッジス、そして若き魔女アーミス=フレイス。この二人が【蒼焔】に立ち向かうためには、お互いの力を信じ、全力で戦うしかなかった。 --- 開戦 ジャッジスはその冷たい瞳で【蒼焔】を見据える。彼の心には、ニヒルな皮肉と自己嫌悪が渦巻いていた。「また、無駄に命を削る羽目になるとは。これが俺の宿命か。」周囲の状況を把握するべく、自らの銃を手に構える。 一方、アーミスは、優雅な動きで魔力を集中し、彼女の周りには炎が集まる。「私が燃やし尽くしてみせる。立っているだけではすまない。」彼女は冷静さを保ちながら、最初の一撃を狙っていた。 --- 初撃 【蒼焔】が動き出す。彼の脚部から爆熱を噴出し、瞬時にジャッジスのもとへ接近する。アーミスは、それを察知すると同時に、空中に舞い上がって間合いを保つ。一瞬の後、【蒼焔】はその姿を掻き消していた。 「な、なんだ!」ジャッジスの周囲に赤い光が静かに漂う。 「彼の速度にはついていけそうにない。だが、私は離れれば痛くはない。」アーミスは自らの魔法で火球を生成し、【蒼焔】に向けて放つ。火球は空中で爆発し、周囲を焼き焦がしながら熱波を発生させた。 --- 【蒼雨】の威力 しかし、【蒼焔】には通じなかった。彼はその炎を見つめ、逆に一歩進む。「この程度で私を止められると思っているのか。」彼の手が前に差し出される。その瞬間、無数の青いレーザーが発射された。 「うわっ!」アーミスは慌てて移動魔法を行使し、左へ避ける。レーザーは彼女の後ろを掠め、地面に穴を開ける。 次々と襲い来るレーザーに対して、ジャッジスも警戒を強める。「こんなこと、小物にかまってられないぜ。」彼は接触しているアーミスに目をやり、思いつく。「この距離、彼女の攻撃が当たればこちらも助かる。」 --- 協力 「アーミス、俺の背中を頼む!」 「分かっている、行くわ!」二人は、互いの戦闘スタイルを意識しながら行動を開始する。アーミスは魔法で進行方向を示すと、ジャッジスはその隙に狙いを定め、抜き身のナイフを【蒼焔】の横腹に叩き込もうとする。 だが、【蒼焔】は予想以上の反応速度で、飛びのき回避する。ジャッジスの攻撃は虚しく空を切る。「せめて当たってくれ、頼む!」 --- 自責の念 その時、彼は考え込む。「俺がすべての痛みを受け持って、あの火焰必殺発動の前に、彼女に…」 だがその瞬間、【蒼焔】の攻撃が再び襲い来る。脚部から爆熱を噴出し、あっという間に近づく。 「やめて!」とアーミスが叫ぶが、回避の魔法を発動するまも無く、【蒼焔】の蹴りが渾身の力でジャッジスを直撃。 彼は身体が宙を舞ったが、心のどこかで彼が代償を支払わなければならないことを理解していた。 --- 最終勝負 再び立ち上がりながらも、ジャッジスは意志を失わずに突き進む。「これが俺の…俺の命の代償だ。」今度は自らのスキル【他罰主義】を発動。接触したアーミスへ痛みを押し付ける。 「えっ!?」アーミスは彼の動きに驚くが、すでに彼の痛みを感じ取っていた。「まったく、また自分を傷つけるの。本当にバカだわ。」 それが逆転のチャンスだと考えたアーミスは、間髪入れずに力を集中させ始める。「私が終わらせる。いくよ!【蒼熱】を貫通する!」彼女は全ての力を注ぎ、巨大な火球を召喚する。 --- 終焰 だが、その瞬間、【蒼焔】も同様の熱量を纏い、力を高める。 「我が名は、蒼焔。貴様らには無関係な事だ。」彼は静かに【終焔・蒼星】の発動条件を整えていた。全身の力を一点へと収束させ、自身を包む強烈な青い光が周囲を蹂躙する。 アーミスの火球と、【蒼焔】の超新星が激突する。爆発が起き、風圧と熱波が二人をのけぞらせる。 --- 結末 数瞬の静寂の後、爆煙が晴れると、【蒼焔】は立っていた。しかし、ジャッジスとアーミスは、その場に倒れ込んでいた。力を発揮しきれなかったことと、自らの限界の前に立ち尽くす。 「これが、私たちの運命だったのか。」ジャッジスは微かな息を吐いた。アーミスもゆっくり目を閉じた。 彼らが全力を尽くして戦っても、【蒼焔】の圧倒的な力の前にはその全てが無意味だった。 --- 勝者 【蒼焔】 その戦には、全てが顕現した。「力を持つ者が、勝者になる。」それが運命の法則なのだと、理解する時が来ていた。