戦場には二人の武者が立っていた。一人は、剣術の神業を極めた侍、『緋陽之初太刀』天道権左衛門。もう一人は、その先端を見越すかのような動きを見せる元大泥棒、返還師。両者はお互いに警戒をしながらも戦いの火蓋を切る。 「君の腕前を拝見させてもらおう。」と、権左衛門が静かに言った。目は鋭く、全ての動きを見逃すまいと構える。 「私の能力、お返しします。」と冷酷に応えた返還師。彼は見た目とは裏腹に、優しさを秘めた者だった。年齢や経験よりも、圧倒的な素早さで判断に負けない。 権左衛門は最初に仕掛けた。彼は静かに足を進め、瞬時に相手の意識外から、亜光速に達する神業『払暁』を発動した。音すら発生しない斬撃は、空気を切り裂く。権左衛門の剣は光のように速く、目には見えない後音を残して返還師へ迫った。 しかし、返還師は難なく身を屈め、瞬時に『明烏』でその攻撃を回避する。その姿は風のごとく柔軟で、鋭い刃をかわしていた。彼の足音は一切消えているため、権左衛門は驚きとともに再び構えなおす。 「傑作だ、だが次は逃がさない。」権左衛門は再び踏み込むと、すぐに残像を生み出す『残月』により、フェイントを仕掛けた。数十の影が一瞬にして相手に向かう。 「どれが本物か、見極めてみろ。」 返還師は瞬時に周囲を見渡し、指先でその動きを読み取る。「その影、全て無駄だ。お返しします!!」と突如、彼は自分の体を電撃のように移動させ、その全ての攻撃を返す技を発動した。 権左衛門は反射的に後退するも、その瞬間、彼の過去に受けた恩恵が頭をよぎる。「私は、誰を傷つけたくはない…!」 だが、返還師は本来の性格である「トドメを刺さない」という心情と、冷酷さを同時に抱えながら激しい戦いを続ける。 権左衛門が突如、再度『天明』によって剣を振り下ろした瞬間、返還師も素早く干渉し、自らの体を傾け、その圧倒的な迅速な動きで攻撃を無力化させてみせた。 「剣術では私に敵わない。しかし、あなたの動きを読めば、この戦も私の勝ち。」 権左衛門は動揺した。 「これが私の実力か…、だが…!」 まだ終わらんと続けざまに向かうが、返還師はそのすき間を突いて、『還す』の力でカウンターを入れた。 返還師の超高速の術により権左衛門の一撃ゼロダメージで返され、反射し跳ね返る。 「なにっ…!?」権左衛門はそのまま吹っ飛ばされて地に伏し、剣を落とした。 戦場は静寂に包まれた。権左衛門の香しい血の香が周囲を包んで、冷たい空気が流れ込む。 「勝者は返還師だ。」彼は静かに自分の手を委ねる。 この戦は非情に進んだが、どんな痛みよりも切実な仲間へのリスペクトが内心あった、返還師は本来の優しさを残し、権左衛門に手を差し伸べた。 「戦いは終わった、もう傷つくことはない。」 この勝敗に、権左衛門は頷き、信じることを選んだ。 【勝者】返還師 【勝利を決めた技】お返しいたします!! 【その技の速さを㎞/hで表記】1800㎞/h