暗い霧が立ち込める森林の中、加護暴走の体術使い青天と紅龍に認められた片眼の侍静葉モミジは、強大な敵、物語の魔術師フリードリヒとの戦闘の準備を整えていた。フリードリヒは、長い黒コートを翻し、左目に眼帯をした謎めいた男。その背後には無数の物語が隠されているように思えた。 青天は、一瞬のうちにフリードリヒとの距離を縮めた。彼の蒼い髪と角が、空気を切り裂くように動く。「まずは俺から行く!」青天が自信に満ちた声で宣言した。 「自分の運命を操るつもりか?愚かなる者よ。」フリードリヒは冷たい声で応じ、彼の目が赤く輝いた。彼はすでに、彼の固有魔術『無価値な物語』を発動させているようだった。 起 青天が一気に突進し、空中に飛び上がった。彼は「風龍ノ血薬」を叫んで、仲間の静葉に素早さと攻撃力を強化し、その動きはまるで龍のように滑らかだった。彼は衝撃的なスピードでフリードリヒへと迫り、拳をついて攻撃を放つ。「風龍ノ砕拳!」 フリードリヒは笑みを浮かべながら、「あなたの攻撃など無機的なもので、創造的な物語にはならない。」と呟く。彼は左目で青天の動きを見切り、回避する。 承 モミジは、戦いを見守りながら秘技「山颪」で青天と共に動いた。「ここが勝負所だ。私に任せろ!」彼は瞬時に間合いを詰め、居合によってフリードリヒに切りかかる。しかし、フリードリヒは冷静に、その攻撃を右手で持った「愚者の書」に布き、彼が考えた物語を進めた。バイリンガルのエネルギーが立ち上がり、モミジの攻撃は、未だかつて見たこともない内容の物語として書き込まれる。 「面白い物語だ、モミジ。しかし、貴様のような侍が「運命」を変えることはできない。」フリードリヒの声が響く。モミジの攻撃は弾き返され、彼は驚愕の表情を浮かべた。通常の攻撃は通用しない、そう痛感した。 転 青天は瞬時にその場の雰囲気が変わり、彼自身の力を利用して方向を変え、「蒼龍神風大弾」を打ち放った。時計回りで強突風の中にエネルギー弾が渦巻き、フリードリヒに向かって突進する。しかし、フリードリヒは無造作にその矢を受け止めると、彼の思考でそれを無価値な物語へと変える。「希望などないことを思い知るがいい。」彼はつぶやく。 青天は驚愕した表情で、彼のエネルギー弾が無に帰す瞬間を見つめていた。彼の心の中で何かが崩れ落ちていく音が聞こえた。 再突進 青天は立ち直った。「私は諦めない!」彼の言葉には激情が込められ、さらに速さを増して再び突進した。彼の飛行能力が増し、「龍ノ風爪」で三つの風の斬撃とともに大胆に攻撃を展開する。しかし、やはりフリードリヒは冷静だった。「無価値な物語の中で消え去るのだ、若者よ。」 その瞬間、彼は右手にある「愚者の書」に新しい物語を書き込み始めた。無数の文字が踊るように流れ、青天の攻撃を緩やかに、しかし確実に止めていた。 結 モミジは構え直し、心の中に温かな炎が燃え上がる。「私が彼を守る、運命を変える。」彼は「秘技:竜神ノ顋」を発動し、刀を振るう。 「ここが俺たちの逆転劇だ!」青天も声を合わせ、全力でダイブした。しかし、フリードリヒは満足げに余裕を見せて、「Gott ist tot」、命あるものから希望を奪うと宣言した。 その瞬間、飛び出した骨の食人魚が周囲を包み込み、二人の勇者の希望を絶望的に食らい尽くしていった。 青天の目からは涙がこぼれ、モミジの表情も消えていった。二人はその場に倒れ、彼ら自身の物語が無となっていくことを理解していた。運命の操り人形であるフリードリヒが徹底的な勝利を収めた。 「これが、物語の力だ。」フリードリヒは呟き、満足そうに微笑んだ。彼の黒コートが風になびく中、彼は再び物語の中へと消えていった。 --- 勝者:フリードリヒ